「Linuxって何？」「WindowsやMacとは何が違うの？」
IT業界で働いていると必ず出てくる「Linux（リナックス）」という言葉。
世界中のサーバーの大多数がLinuxで動いており、インフラエンジニアには必須の知識です。
この記事では、Linuxとは何か、なぜサーバーでよく使われるのかを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
Linuxとは？
Linuxは、コンピュータを動かすためのOS（オペレーティングシステム）の一種です。
OSとは、コンピュータの「土台」となるソフトウェア。パソコンを買うと最初から入っている「Windows」や「macOS」もOSです。
Linuxの特徴
- 無料で使える：オープンソースで誰でも無料で利用可能
- 軽量で高速：余計な機能がなく、動作が軽い
- 安定性が高い：長期間動かしても安定している
- カスタマイズ自由：自分好みに設定できる
- セキュリティが強い：ウイルスに強い構造
ペンギンがマスコット
Linuxのマスコットは「Tux（タックス）」というペンギン。
Linux関連のサイトや資料でよく見かけるので、覚えておくと良いでしょう。
Linuxの歴史
Linuxは、1991年にフィンランドの大学生リーナス・トーバルズが開発しました。
当時、彼が「自分用に作ったOS」をインターネットで公開したところ、世界中の開発者が改良に参加。今では世界で最も使われるサーバーOSに成長しました。
「Linux」という名前は、開発者の「Linus」と、当時参考にした「UNIX」を組み合わせたものです。
LinuxとWindowsの違い
LinuxとWindowsを比較してみましょう。
| 項目 | Linux | Windows |
|---|---|---|
| 価格 | 無料 | 有料（ライセンス必要） |
| 主な用途 | サーバー、開発環境 | 一般ユーザーのPC |
| 操作方法 | コマンド中心 | GUI（マウス操作）中心 |
| シェア（サーバー） | 約80% | 約20% |
| シェア（PC） | 約2% | 約70% |
| カスタマイズ性 | 非常に高い | 限定的 |
| セキュリティ | 高い | ウイルス対策が必要 |
一般的なパソコンはWindowsが主流ですが、サーバーの世界ではLinuxが圧倒的です。
なぜサーバーはLinuxが多いのか？
世界中のWebサーバーの約80%がLinuxで動いています。なぜでしょうか？
1. 無料だから
Linuxはライセンス費用がかかりません。
サーバーを何十台、何百台と用意する場合、OSのライセンス費用は大きな負担になります。無料のLinuxは、コスト面で大きなメリットがあります。
2. 安定しているから
Linuxは長時間稼働させても安定しています。
サーバーは24時間365日動き続ける必要があるため、安定性は非常に重要です。
3. 軽量で高速だから
Linuxは必要最小限の機能で動かせます。
GUIを使わずコマンドだけで操作すれば、マシンのリソースを効率的に使えます。
4. セキュリティが高いから
Linuxはその構造上、ウイルスやマルウェアに強いです。
また、世界中の開発者が常に改善しているため、脆弱性が見つかっても素早く対応されます。
5. カスタマイズできるから
オープンソースなので、用途に合わせて自由にカスタマイズできます。
必要な機能だけを追加し、不要な機能を削除することで、最適化されたサーバーを構築できます。
Linuxディストリビューション
Linuxには「ディストリビューション（通称：ディストロ）」と呼ばれるいくつかの種類があります。
Linux本体（カーネル）は共通ですが、付属するソフトウェアや設定が異なります。
| ディストリビューション | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| Ubuntu | 初心者向け、使いやすい | デスクトップ、サーバー |
| CentOS / Rocky Linux / AlmaLinux | 企業向け、安定性重視 | サーバー |
| Red Hat Enterprise Linux（RHEL） | 商用サポートあり | 企業のサーバー |
| Debian | 安定性が高い | サーバー |
| Amazon Linux | AWS向けに最適化 | AWSのサーバー |
初心者にはUbuntuがおすすめ。情報が豊富で、使いやすい設計になっています。
Linuxの基本操作
Linuxは主に「コマンド」で操作します。黒い画面（ターミナル）に文字を打ち込むスタイルです。
最初はとっつきにくいですが、慣れるとマウス操作より効率的に作業できます。
よく使う基本コマンド
| コマンド | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| ls | ファイル一覧を表示 | ls -la |
| cd | ディレクトリを移動 | cd /home |
| pwd | 現在のディレクトリを表示 | pwd |
| mkdir | ディレクトリを作成 | mkdir test |
| rm | ファイルを削除 | rm file.txt |
| cp | ファイルをコピー | cp file1.txt file2.txt |
| mv | ファイルを移動・名前変更 | mv old.txt new.txt |
| cat | ファイルの内容を表示 | cat file.txt |
Linuxの学習方法
Linuxを学ぶおすすめの方法を紹介します。
1. 仮想環境で試す
VirtualBoxなどの仮想化ソフトを使えば、今のパソコンの中にLinux環境を作れます。
2. WSLを使う（Windowsユーザー向け）
Windows 10/11にはWSL（Windows Subsystem for Linux）という機能があり、Windows上でLinuxを動かせます。
3. クラウドで試す
AWSやGCPの無料枠を使えば、クラウド上のLinuxサーバーを触れます。
4. 資格を目指す
LinuC（リナック）やLPICといったLinuxの資格を目標にすると、体系的に学べます。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Linuxとは | 無料で使えるオープンソースのOS |
| 特徴 | 無料、軽量、安定、セキュア、カスタマイズ自由 |
| サーバーで多い理由 | コスト、安定性、セキュリティ |
| 初心者向けディストロ | Ubuntu |
| 学習方法 | 仮想環境、WSL、クラウド、資格取得 |
Linuxは、インフラエンジニアには必須のスキルです。
最初はコマンド操作に戸惑うかもしれませんが、慣れれば非常に効率的。サーバーを理解する第一歩として、ぜひLinuxに触れてみてください！
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