「IPアドレスって何？」「192.168.1.1みたいな数字、何を意味してるの？」
IT業界で必ず出てくる「IPアドレス」という言葉。ネットワークやサーバーを理解するための基本中の基本です。
この記事では、IPアドレスとは何か、どんな種類があるのかを「住所」に例えて、初心者の方にもわかりやすく解説します。
IPアドレスとは？
IPアドレスは、ネットワーク上の機器を識別するための「番号」です。
IP（Internet Protocol）は「インターネットのルール」という意味で、そのルールに基づいて割り当てられるアドレス（住所）がIPアドレスです。
「住所」で考えてみよう
手紙を送る時を想像してください。
相手に届けるためには、「住所」が必要ですよね。住所がなければ、郵便屋さんは届け先がわかりません。
インターネットも同じです。
- あなたのパソコン：家（住所が必要）
- IPアドレス：インターネット上の住所
- データ：手紙
IPアドレスがあるから、データが正しい相手に届くのです。
IPアドレスの見た目
IPアドレスは、こんな形をしています。
192.168.1.1これは「IPv4（アイピーブイフォー）」と呼ばれる形式で、0〜255の数字を4つ、ドット（.）で区切っています。
IPv4とIPv6
IPアドレスには2つのバージョンがあります。
| 種類 | 形式 | 例 | アドレス数 |
|---|---|---|---|
| IPv4 | 数字4つ（32ビット） | 192.168.1.1 | 約43億個 |
| IPv6 | 16進数8つ（128ビット） | 2001:0db8:85a3::8a2e:0370:7334 | ほぼ無限 |
IPv4のアドレスは約43億個しかなく、世界中のデバイスに割り当てるには足りなくなってきています。
そこで登場したのがIPv6。アドレス数がほぼ無限で、将来的にはIPv6が主流になると言われています。
ただし、現在はまだIPv4が広く使われているので、まずはIPv4を理解しておけばOKです。
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス
IPアドレスには「グローバル」と「プライベート」の2種類があります。
| 種類 | 説明 | 例え |
|---|---|---|
| グローバルIPアドレス | インターネット上で一意の住所 | 郵便の「住所」 |
| プライベートIPアドレス | 家庭や会社内だけで使う住所 | マンションの「部屋番号」 |
グローバルIPアドレス
グローバルIPアドレスは、世界で唯一のアドレス。
インターネット上のサーバーやWebサイトには、このグローバルIPアドレスが割り当てられています。
例えば、Webサーバーには「203.0.113.10」のようなIPアドレスがあり、世界中からこのアドレスを指定してアクセスしています。
プライベートIPアドレス
プライベートIPアドレスは、家庭内や会社内のネットワークでのみ使うアドレス。
自宅のWi-Fiに繋がっているパソコンやスマホには、「192.168.1.10」のようなプライベートIPアドレスが割り当てられています。
プライベートIPアドレスとして使える範囲は決まっています。
| クラス | 範囲 | よく使われる場面 |
|---|---|---|
| クラスA | 10.0.0.0 〜 10.255.255.255 | 大規模ネットワーク |
| クラスB | 172.16.0.0 〜 172.31.255.255 | 中規模ネットワーク |
| クラスC | 192.168.0.0 〜 192.168.255.255 | 家庭・小規模オフィス |
「192.168」で始まるアドレスをよく見かけるのは、家庭用ルーターがこの範囲を使っているからです。
静的IPアドレスと動的IPアドレス
IPアドレスの割り当て方にも種類があります。
| 種類 | 説明 | 用途 |
|---|---|---|
| 静的（固定）IPアドレス | 常に同じIPアドレス | サーバー、ネットワーク機器 |
| 動的IPアドレス | 接続のたびに変わる可能性あり | 一般家庭のPC、スマホ |
サーバーは「常に同じ住所」でないとアクセスできないので、静的IPアドレスを使います。
一方、家庭のパソコンは動的IPアドレスで、ルーターが自動的に割り当ててくれます（DHCPという仕組み）。
IPアドレスの確認方法
自分のIPアドレスを確認する方法を紹介します。
グローバルIPアドレスを確認
ブラウザで「私のIPアドレス」と検索すると、現在のグローバルIPアドレスが表示されます。
プライベートIPアドレスを確認
Windowsの場合：
ipconfigMac / Linuxの場合：
ifconfigまたは
ip addrコマンドプロンプト（Windows）やターミナル（Mac/Linux）で上記を入力すると、IPアドレスが確認できます。
IPアドレスとドメインの関係
普段、Webサイトにアクセスする時は「google.com」のようなドメイン名を使いますよね。
実は、裏側ではドメイン名がIPアドレスに変換されています。
- 「example.com」→ 「203.0.113.10」（IPアドレス）
この変換を行うのがDNS（ドメインネームシステム）です。
IPアドレスは数字の羅列で覚えにくいので、人間にわかりやすい「ドメイン名」を使い、DNSが自動的にIPアドレスに変換してくれるのです。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| IPアドレスとは | ネットワーク上の機器を識別する「住所」 |
| IPv4とIPv6 | IPv4が主流、IPv6は次世代規格 |
| グローバルとプライベート | インターネット用 vs 内部ネットワーク用 |
| 静的と動的 | 固定 vs 自動割り当て |
| ドメインとの関係 | DNSがドメイン名をIPアドレスに変換 |
IPアドレスは、ネットワークの基礎中の基礎です。
この仕組みを理解しておくと、サーバーやネットワークの設定がグッとわかりやすくなります。インフラエンジニアを目指す第一歩として、しっかり押さえておきましょう！
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