「サーバーに接続するって、どうやるの?」「Tera Termってよく聞くけど何?」
インフラエンジニアとして最初に覚えることの1つが、サーバーへのリモート接続です。そして、その接続に使う定番ツールがTera Term(テラターム)。
この記事では、Tera Termとは何か、そしてSSH接続の基本について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
Tera Termとは?
Tera Termは、Windowsパソコンから他のコンピュータ(サーバー)に接続するためのソフトウェアです。日本で開発されたフリーソフトで、20年以上の歴史があります。
主に以下の用途で使われます。
- LinuxサーバーへのSSH接続
- ネットワーク機器(ルーターやスイッチ)の設定
- シリアル接続(専用ケーブルでの直接接続)
インフラエンジニアの現場では、「黒い画面」でサーバーを操作する場面がたくさんあります。その「黒い画面」を表示してくれるのがTera Termなんです。
なぜTera Termが人気なの?
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 無料で使える | オープンソースで完全無料 |
| 日本語対応 | メニューも日本語で安心 |
| 動作が軽い | 古いパソコンでもサクサク動く |
| 機能が充実 | マクロ(自動操作)機能もあり |
| 実績が豊富 | 多くの現場で使われており情報も多い |
もちろん他にも「PuTTY」や「RLogin」といったソフトもありますが、日本の現場ではTera Termが最もよく使われています。
SSH接続って何?
Tera Termの説明で出てきた「SSH接続」についても解説しておきましょう。
SSHとは
SSH(Secure Shell)は、ネットワーク経由で他のコンピュータに安全に接続するための仕組みです。
昔は「Telnet」という方法が使われていましたが、通信内容が暗号化されておらず危険でした。SSHではすべての通信が暗号化されるため、パスワードなどの情報が盗み見られる心配がありません。
身近な例で考えると…
SSH接続は、いわば「離れた場所にあるパソコンのキーボードを借りる」ようなイメージです。
例えば、あなたのデスク(東京)から、データセンター(大阪)にあるサーバーを操作したい場合。SSH接続を使えば、インターネット経由で安全にサーバーを操作できます。
SSH接続に必要な情報
サーバーにSSH接続するには、以下の情報が必要です。
| 必要な情報 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| ホスト名/IPアドレス | 接続先サーバーの住所 | 192.168.1.100 |
| ポート番号 | 接続の入口(通常は22) | 22 |
| ユーザー名 | ログインするアカウント名 | tanaka |
| パスワードまたは鍵 | 本人確認のための情報 | (秘密) |
Tera Termのインストール方法
それでは、実際にTera Termをインストールしてみましょう。
Step1:公式サイトにアクセス
以下のURLからTera Termの公式サイト(OSDN)にアクセスします。
https://teratermproject.github.io/
または「Tera Term ダウンロード」で検索してもOKです。
Step2:最新版をダウンロード
「ダウンロード」から最新版の.exeファイルをダウンロードします。2025年現在は「teraterm-5.5.1 」が最新版です。
Step3:インストーラーを実行
ダウンロードした.exeファイルをダブルクリックして、画面の指示に従ってインストールします。
基本的には「次へ」を押していけばOKですが、コンポーネントの選択画面では「標準インストール」を選んでおけば問題ありません。
Tera Termの使い方(SSH接続の手順)
インストールが完了したら、実際にサーバーに接続してみましょう。
Step1:Tera Termを起動
スタートメニューから「Tera Term」を起動します。起動すると「新しい接続」ダイアログが表示されます。
Step2:接続先を入力
以下のように設定します。
- ホスト:接続先のIPアドレスまたはホスト名を入力
- TCPポート:通常は「22」のまま
- サービス:「SSH」を選択
入力したら「OK」をクリックします。
Step3:セキュリティ警告を確認
初めて接続するサーバーの場合、「セキュリティ警告」が表示されます。これは「このサーバーに接続するのは初めてですが、信頼していいですか?」という確認です。
接続先が正しければ「続行」をクリックします。
Step4:ユーザー名とパスワードを入力
認証画面が表示されたら、以下を入力します。
- ユーザ名:サーバーのアカウント名
- パスフレーズ:パスワード
「OK」をクリックして、黒い画面(コマンドプロンプト)が表示されれば接続成功です!
覚えておきたいTera Termの便利機能
Tera Termには、作業を効率化する便利な機能がたくさんあります。
1. ログの保存
作業内容を記録しておくと、後から確認できて便利です。
設定方法:メニューの「ファイル」→「ログ」から設定できます。
作業の証跡(エビデンス)を残す際に必須の機能です。
2. 接続情報の保存
よく接続するサーバーの情報を保存しておけば、次回から入力の手間が省けます。
設定方法:メニューの「設定」→「設定の保存」で、現在の接続設定をファイルに保存できます。
3. 画面の色やフォントの変更
長時間作業するなら、見やすい設定にカスタマイズしましょう。
設定方法:メニューの「設定」→「ウィンドウ」から、文字色や背景色、フォントサイズを変更できます。
4. マクロ機能
定型作業を自動化できる機能です。例えば、ログイン後に自動で特定のコマンドを実行する、といったことができます。
最初は使わなくてOKですが、慣れてきたらチャレンジしてみましょう。
よくあるトラブルと対処法
SSH接続でよくあるトラブルと、その対処法を紹介します。
接続できない(タイムアウト)
原因として考えられること:
- IPアドレスが間違っている
- サーバーが起動していない
- ファイアウォールで22番ポートがブロックされている
- ネットワーク的に接続できない環境
対処法:まずpingコマンドでサーバーと通信できるか確認しましょう。
パスワードが通らない
原因として考えられること:
- パスワードの入力ミス(大文字/小文字に注意)
- ユーザー名が間違っている
- アカウントがロックされている
対処法:Caps Lockがオンになっていないか確認。パスワードは表示されないので、慎重に入力しましょう。
日本語が文字化けする
サーバーとTera Termで文字コードが合っていないと起きます。
対処法:メニューの「設定」→「端末」から、文字コードを「UTF-8」に変更してみてください。
SSH接続のセキュリティについて
SSH接続を安全に使うためのポイントも押さえておきましょう。
公開鍵認証を使う
パスワード認証よりも公開鍵認証の方が安全です。公開鍵認証では、パスワードの代わりに「鍵ファイル」を使って認証します。
現場によっては「パスワード認証は禁止、公開鍵認証のみ」というルールのところもあります。
パスワードの管理
- パスワードは絶対に他人に教えない
- メモ帳などに平文で保存しない
- 定期的に変更する
基本的なことですが、とても重要です。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Tera Termとは | サーバーにリモート接続するためのWindows用ソフト |
| SSHとは | 暗号化された安全なリモート接続方式 |
| 接続に必要な情報 | IPアドレス、ポート番号、ユーザー名、パスワード |
| 便利機能 | ログ保存、接続情報の保存、画面カスタマイズ |
| トラブル対処 | 接続先・認証情報・文字コードを確認 |
Tera TermでのSSH接続は、インフラエンジニアとしての最初の一歩です。最初は緊張するかもしれませんが、何度も使っているうちに自然と慣れてきます。
まずは練習環境(仮想マシンなど)で何度も接続してみて、操作に慣れていきましょう!