「Linuxを本格的に触ってみたい」「自分専用のサーバー環境が欲しい」
Linuxを学習するなら、自分専用の環境を持つのが一番です。VirtualBoxを使えば、今使っているパソコンの中に仮想のコンピュータを作って、自由にLinuxを試すことができます。
この記事では、VirtualBoxのインストールから、Linuxの仮想マシンを作成するまでの手順を解説します。
VirtualBoxとは？
パソコンの中にパソコンを作る
VirtualBox（バーチャルボックス）は、Oracle社が提供する無料の仮想化ソフトウェアです。
簡単に言うと、1台のパソコンの中に、別のパソコン（仮想マシン）を作ることができます。この仮想マシンに、WindowsでもLinuxでも、好きなOSをインストールできます。
仮想マシンのメリット
- 安全に練習できる：失敗しても本体に影響なし
- 何度でもやり直せる：スナップショットで状態を保存
- 複数のOSを試せる：Ubuntu、CentOSなど
- サーバー構築の練習：実際の環境に近い体験
- 無料で使える：追加のPCは不要
必要なスペック
| 項目 | 最低限 | 推奨 |
|---|---|---|
| メモリ | 8GB | 16GB以上 |
| ストレージ | 20GB以上の空き | 50GB以上 |
| CPU | 仮想化対応 | 4コア以上 |
VirtualBoxのインストール
Step1：公式サイトからダウンロード
VirtualBoxの公式サイトにアクセスします。
https://www.virtualbox.org/
「Downloads」から、使用しているOS（Windows、Mac、Linux）に対応したインストーラーをダウンロードします。
Step2：インストーラーを実行
ダウンロードしたファイルを実行し、画面の指示に従ってインストールします。基本的に「Next」を押していけばOKです。
Step3：Extension Packのインストール（任意）
USBデバイスのサポートなど、追加機能が必要な場合は「Extension Pack」もダウンロードしてインストールします。
Linuxのイメージをダウンロード
仮想マシンにインストールするLinuxのイメージ（ISOファイル）をダウンロードします。
初心者におすすめのディストリビューション
| ディストリビューション | 特徴 |
|---|---|
| Ubuntu Server | 情報が多い、初心者向け |
| Rocky Linux | CentOSの後継、企業で人気 |
| Debian | 安定性重視、サーバー向け |
今回はUbuntu Serverを例に説明します。
公式サイト（https://ubuntu.com/download/server）からISOファイルをダウンロードしてください。
仮想マシンの作成
Step1：VirtualBoxを起動
VirtualBoxを起動し、「新規」ボタンをクリックします。
Step2：仮想マシンの名前と種類を設定
- 名前：わかりやすい名前（例：Ubuntu-Server）
- タイプ：Linux
- バージョン：Ubuntu (64-bit)
Step3：メモリの割り当て
仮想マシンに割り当てるメモリを設定します。
- サーバー用途：2GB〜4GB程度でOK
- デスクトップ用途：4GB以上推奨
Step4：仮想ハードディスクの作成
- 「仮想ハードディスクを作成する」を選択
- ファイルタイプ：VDI（VirtualBox Disk Image）
- ストレージ：可変サイズ
- サイズ：20GB以上
Step5：ISOファイルの設定
- 作成した仮想マシンを選択し、「設定」をクリック
- 「ストレージ」を選択
- 「空」のディスクアイコンをクリック
- 右側のディスクアイコンから「ディスクファイルを選択」
- ダウンロードしたISOファイルを選択
Linuxのインストール
Step1：仮想マシンを起動
「起動」ボタンをクリックすると、ISOからLinuxのインストーラーが起動します。
Step2：インストールを進める
画面の指示に従ってインストールを進めます。
- 言語：English（日本語も可）
- キーボードレイアウト：Japanese
- ネットワーク：デフォルトでOK
- ストレージ：デフォルトでOK
- ユーザー名・パスワード：自由に設定
Step3：インストール完了後
インストールが完了したら、仮想マシンを再起動します。ログイン画面が表示されれば成功です！
便利な設定
Guest Additionsのインストール
Guest Additionsをインストールすると、画面解像度の自動調整やクリップボードの共有ができます。
スナップショットの活用
設定を変更する前に「スナップショット」を取っておくと、いつでもその状態に戻せます。
仮想マシンを選択 → スナップショット → 作成ネットワーク設定
- NAT：インターネット接続のみ（デフォルト）
- ブリッジアダプター：ホストと同じネットワークに接続
- ホストオンリー：ホストとのみ通信
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| VirtualBoxとは | 無料の仮想化ソフトウェア |
| メリット | 安全に練習、やり直し可能、無料 |
| 必要なスペック | メモリ8GB以上、ストレージ20GB以上 |
| おすすめOS | Ubuntu Server、Rocky Linux |
| 便利機能 | スナップショット、Guest Additions |
VirtualBoxは、Linux学習の最高の練習環境です。失敗を恐れずに、どんどん試してみてください。壊れても、スナップショットから戻せばOKです！
まずは仮想マシンを作って、Linuxの世界に飛び込みましょう！