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開発ツール入門 約10分で読めます

【GitHub入門】GitHubとは?使い方の基本をわかりやすく解説

「GitHubって何?」「Gitとは違うの?」「どうやって使うの?」

プログラミングを学び始めると必ず出てくるGitHub(ギットハブ)。求人票でも「GitHub経験必須」という記載をよく見かけますよね。

この記事では、GitHubの基本を身近な例えを使いながら、初心者にもわかりやすく解説します。

GitHubとは?一言でいうと「プログラマーのSNS+クラウドストレージ」

GitHubとは、Gitで管理するソースコードを保存・共有できるWebサービスです。

身近な例えで言うと、「プログラマー向けのSNS+クラウドストレージ」です。

Google ドライブやDropboxのように、ファイルをクラウド上に保存して共有できます。それに加えて、TwitterやInstagramのように、他の人の作品(コード)を見たり、フォローしたり、「いいね」(スター)を付けたりできます。

GitとGitHubの違い

前回の記事でも触れましたが、GitとGitHubは別物です。

項目 Git GitHub
種類 バージョン管理システム(ツール) Webサービス
動作環境 ローカルPC クラウド(Web)
役割 ファイルの変更履歴を管理 リモートリポジトリを提供・コード共有
開発元 Linus Torvalds GitHub社(現Microsoft傘下)

簡単に言うと、Gitで管理したコードを、GitHubで保存・共有するという関係です。

GitHubでできること

GitHubには、コード管理以外にも様々な機能があります。

1. コードの保存・共有

リモートリポジトリとして、ソースコードをクラウド上に保存できます。PCが壊れても、GitHubにコードがあれば安心です。チームメンバーとの共有も簡単です。

2. Pull Request(プルリクエスト)

コードの変更を提案し、レビューを受ける仕組みです。チーム開発では、直接mainブランチにマージするのではなく、Pull Requestを通じてレビューを行うのが一般的です。

3. Issue(イシュー)管理

バグ報告や機能要望などのタスクを管理できます。プロジェクト管理ツールとしても活用できます。

4. GitHub Actions(自動化)

テストやデプロイなどを自動化できるCI/CD機能です。コードをプッシュするたびに、自動でテストを実行するといったことが可能です。

5. GitHub Pages(Webサイト公開)

リポジトリから直接、静的なWebサイトを公開できます。ポートフォリオサイトやドキュメントの公開に便利です。

6. ソーシャル機能

他のユーザーをフォローしたり、リポジトリにスターを付けたり、コードを見つけて学んだりできます。

GitHubの基本用語

GitHubを使うために、基本用語を押さえましょう。

用語 意味
リポジトリ プロジェクトの保存場所(Public/Privateを選択可能)
フォーク(Fork) 他人のリポジトリを自分のアカウントにコピー
クローン(Clone) リポジトリをローカルPCにダウンロード
Pull Request(PR) 変更を提案し、マージを依頼する機能
Issue タスク、バグ、機能要望などを管理する機能
スター(Star) リポジトリへの「いいね」(ブックマーク)
Watch リポジトリの更新通知を受け取る設定
README プロジェクトの説明ファイル(.md形式)

リポジトリの作成方法

GitHubでリポジトリを作成する基本的な流れを紹介します。

  1. GitHubにログインして、右上の「+」ボタンをクリック
  2. 「New repository」を選択
  3. リポジトリ名を入力(例:my-first-project)
  4. 公開設定を選択(Public or Private)
  5. README fileを追加するかどうかを選択
  6. 「Create repository」をクリック

PublicとPrivateの違い

設定 説明 用途
Public 誰でも閲覧可能 オープンソース、ポートフォリオ
Private 許可された人のみ閲覧可能 業務コード、個人プロジェクト

無料プランでもPrivateリポジトリを無制限に作成できます。

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Pull Requestとは

Pull Request(プルリクエスト、PR)は、GitHubの最も重要な機能の一つです。

身近な例えで言うと、「書類の承認フロー」のようなものです。

会社で重要な書類を作成したとき、直接提出するのではなく、上司にチェックしてもらってから提出しますよね。Pull Requestは、コードにおけるその承認フローです。

Pull Requestの流れ

1. ブランチを作成して作業
   └─ feature/new-function

2. 変更をコミット・プッシュ

3. Pull Requestを作成
   └─ 「この変更をmainにマージしてください」

4. レビュー
   └─ チームメンバーがコードをチェック
   └─ コメントや修正依頼

5. 承認・マージ
   └─ 問題なければmainブランチに統合

Pull Requestでできること

  • 差分の確認:どのファイルが、どう変わったかを表示
  • コメント:特定の行にコメントを付けられる
  • レビュー:Approve(承認)、Request changes(修正依頼)、Comment(コメント)
  • CI/CD連携:自動テストの結果を表示

Issueとは

Issue(イシュー)は、タスクやバグ、機能要望などを管理する機能です。

身近な例えで言うと、「付箋(ふせん)メモ」のようなものです。やるべきことを書いて貼っておき、終わったら剥がすイメージです。

Issueの活用方法

  • バグ報告:「ログインボタンが押せない」
  • 機能要望:「検索機能を追加してほしい」
  • タスク管理:「ユーザー認証機能を実装する」
  • 質問・議論:「このライブラリの使い方がわからない」

Issueの書き方のコツ

項目 内容
タイトル 問題を端的に表す(例:「ログイン画面でエラーが発生する」)
説明 詳細な状況、再現手順を記載
ラベル bug、enhancement、helpなどで分類
担当者 誰が対応するかを割り当て
マイルストーン どのリリースで対応するかを設定

GitHub Actionsとは

GitHub Actionsは、ワークフローを自動化するCI/CD機能です。

身近な例えで言うと、「自動ドア」のようなものです。人が近づいたら(コードをプッシュしたら)、自動でドアが開く(テストが実行される)イメージです。

GitHub Actionsでできること

  • 自動テスト:プッシュやPR作成時に自動でテストを実行
  • 自動デプロイ:mainにマージされたら本番環境にデプロイ
  • コード品質チェック:リンターやフォーマッターを自動実行
  • 定期実行:毎日決まった時間に処理を実行

ワークフローファイルの例

# .github/workflows/test.yml
name: Run Tests

on:
  push:
    branches: [ main ]
  pull_request:
    branches: [ main ]

jobs:
  test:
    runs-on: ubuntu-latest
    steps:
      - uses: actions/checkout@v4
      - name: Setup Node.js
        uses: actions/setup-node@v4
        with:
          node-version: '20'
      - run: npm install
      - run: npm test

この設定で、mainブランチへのプッシュやPR時に自動でテストが実行されます。

GitHubの料金プラン

GitHubには複数の料金プランがあります。

プラン 料金 主な特徴
Free 無料 Publicリポジトリ無制限、Privateリポジトリ無制限
Pro $4/月 高度なコードレビュー、3,000分のActions
Team $4/ユーザー/月 チーム管理機能、保護ブランチルール
Enterprise $21/ユーザー/月 高度なセキュリティ、コンプライアンス機能

個人で学習する場合は、Freeプランで十分です。Privateリポジトリも無制限に作成でき、基本的な機能はすべて使えます。

GitHub Copilotとは

GitHub Copilotは、AIがコードを提案してくれるサービスです。

コードを書いていると、AIが続きを予測して提案してくれます。コメントを書くだけで、そのコメントに沿ったコードを生成してくれることもあります。

GitHub Copilotの料金

  • Copilot Free:無料(月2,000回のコード補完、50回のチャット)
  • Copilot Pro:$10/月(無制限のコード補完・チャット)
  • Copilot Pro+:$39/月(高性能モデル、エージェント機能)

学生はGitHub Educationに申請すると、Copilot Proを無料で使えます。

2025年のGitHubトピック

GitHubは日々進化しています。2025年の主なトピックを紹介します。

Copilotコーディングエージェント GA

2025年、Copilotコーディングエージェントが一般提供されました。Issueに「Copilot」を担当者として割り当てるだけで、AIがバックグラウンドで自律的にコーディングを行い、Pull Requestを作成してくれます。

Copilot CLI

2025年9月、Copilot CLIがパブリックプレビューとして公開されました。ターミナルからAIと対話しながら開発を進められるようになりました。

モバイルでのCopilot連携

GitHub Mobileアプリから、Copilotにタスクを依頼できるようになりました。移動中でもAIに作業を任せられます。

複数AIモデルの選択

Copilotで使用するAIモデルを選択できるようになりました。GPT-5.1、Claude、Geminiなど、用途に応じて最適なモデルを選べます。

GitHubを始める手順

GitHubを始める基本的な手順を紹介します。

  1. GitHubアカウントを作成(github.comにアクセス)
  2. プロフィールを設定(アイコン、自己紹介など)
  3. Gitをインストール(まだの場合)
  4. SSHキーまたはトークンを設定(認証用)
  5. 最初のリポジトリを作成
  6. ローカルからプッシュしてみる

最初にやっておきたい設定

# Gitにユーザー名とメールを設定
git config --global user.name "あなたのユーザー名"
git config --global user.email "your.email@example.com"

# デフォルトブランチ名をmainに設定
git config --global init.defaultBranch main

GitHub学習の次のステップ

GitHubの基本を理解したら、以下のステップに進みましょう。

  1. 自分のプロジェクトをGitHubに公開してみる
  2. READMEを充実させる(プロジェクトの顔)
  3. 他の人のリポジトリを見て学ぶ
  4. Pull Requestの流れを体験(自分のリポジトリでもOK)
  5. GitHub Actionsで自動化を試す
  6. OSSにコントリビュート(ドキュメントの修正からでもOK)

まとめ

この記事で解説した内容をまとめます。

項目 ポイント
GitHubとは Gitで管理するコードを保存・共有できるWebサービス
主な機能 リポジトリ、Pull Request、Issue、Actions、Pages
Pull Request コードの変更を提案し、レビューを受ける仕組み
Issue タスク、バグ、機能要望などを管理
Actions テストやデプロイなどを自動化するCI/CD機能
料金 Freeプランで十分使える(Privateリポジトリも無制限)
Copilot AIがコードを提案してくれるサービス

GitHubは、現代のソフトウェア開発において欠かせないツールです。ポートフォリオとしても活用でき、転職活動でもGitHubアカウントを見られることがあります。まずはアカウントを作成して、自分のコードを公開してみましょう。

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