「フロントエンドエンジニア」「バックエンドエンジニア」
エンジニアの求人を見ていると、こんな言葉をよく目にしませんか?
「なんとなく違うのはわかるけど、具体的に何が違うの?」「自分はどっちに向いてるんだろう?」
そんな疑問を持っている方も多いはず。実はこの2つ、やっていることがまったく違います。そして、どちらを選ぶかで学ぶべき技術もキャリアの方向性も変わってきます。
この記事では、プログラミング未経験の方でもわかるように、レストランに例えながらフロントエンドとバックエンドの違いを解説します。「自分はこっちかも!」というヒントが見つかるはずですよ。
フロントエンドとバックエンドを「レストラン」で理解しよう
Webサイトやアプリは、大きく「見える部分」と「見えない部分」に分かれています。これをレストランに例えると、とてもわかりやすくなります。
フロントエンド=ホール(お客様から見える場所)
レストランに入ると、まず目に入るのは店内の雰囲気、メニュー表、テーブルの配置ですよね。店員さんが注文を聞いてくれて、料理を運んできてくれます。
これがフロントエンドのイメージです。
Webサイトでいうと、あなたが今見ている画面のデザイン、ボタン、文字、画像、アニメーションなど、「ユーザーが直接触れる部分」すべてがフロントエンドです。
- ボタンをクリックしたら色が変わる
- スクロールすると画像がふわっと出てくる
- 入力フォームにエラーメッセージが表示される
こうした「見た目」と「操作感」を作るのが、フロントエンドエンジニアの仕事です。
バックエンド=キッチン(お客様から見えない場所)
一方、お客様からは見えないキッチンでは何が起きているでしょうか?
注文が入ったら食材を取り出し、調理して、盛り付けて、ホールに渡す。在庫管理をして、足りなければ発注する。レシピ通りに作れているかチェックする…。
これがバックエンドのイメージです。
Webサイトでいうと、データの保存・取得、ログイン認証、決済処理、メール送信など、「裏側で動いている仕組み」がバックエンドです。
- 会員登録したら、情報がデータベースに保存される
- ログインしたら、本人かどうかを確認する
- 商品を購入したら、在庫数が減る
ユーザーには見えないけれど、なくてはならない「縁の下の力持ち」がバックエンドなんです。
図で見る!フロントエンドとバックエンドの関係
もう少し具体的に、ECサイト(ネットショップ)を例にイメージしてみましょう。
あなたがネットで買い物をするとき、こんな流れになっています。
- 商品一覧を見る(フロントエンドが画面を表示)
- 「カートに入れる」ボタンを押す(フロントエンドがボタンを用意)
- カート情報がサーバーに送られる(バックエンドがデータを受け取る)
- データベースに保存される(バックエンドが処理)
- 「カートに追加しました」と表示(フロントエンドが結果を表示)
つまり、フロントエンドとバックエンドは常に連携して動いています。どちらか一方だけでは、Webサービスは成り立ちません。
| 比較項目 | フロントエンド | バックエンド |
|---|---|---|
| レストランで例えると | ホール(接客) | キッチン(調理) |
| 担当する領域 | ユーザーが見える部分 | ユーザーから見えない部分 |
| 主な仕事 | 画面デザイン、操作性、表示速度 | データ処理、認証、セキュリティ |
| 動く場所 | ブラウザ(ユーザーのPC・スマホ) | サーバー(インターネット上のコンピュータ) |
使う技術・言語の違い
フロントエンドとバックエンドでは、学ぶべきプログラミング言語やツールが異なります。それぞれ見ていきましょう。
フロントエンドで使う技術
フロントエンドは「Webの三種の神器」と呼ばれる3つの言語が基本です。
| 言語・技術 | 役割 | 例え |
|---|---|---|
| HTML | ページの構造を作る | 家の骨組み |
| CSS | 見た目を装飾する | 壁紙や家具 |
| JavaScript | 動きをつける | 電気・水道などの設備 |
さらに、効率よく開発するためにフレームワークを使うことが一般的です。
- React(リアクト):世界で最も人気。求人も多い
- Vue.js(ビュー):学習しやすく、日本で人気
- Angular(アンギュラー):大規模開発向け
バックエンドで使う技術
バックエンドは、複数の言語から選択できます。どれを学ぶかは、やりたいことや就職先によって変わります。
| 言語 | 特徴 | よく使われる場面 |
|---|---|---|
| PHP | Web開発の定番。学習しやすい | Webサイト、WordPress |
| Ruby | 書きやすく、開発スピードが速い | スタートアップ、Webサービス |
| Python | シンプルで読みやすい | AI・機械学習、データ分析 |
| Java | 安定性が高い。大企業で多い | 業務システム、金融系 |
| Go | 処理速度が速い。近年人気上昇中 | 大規模サービス |
また、バックエンドエンジニアはデータベースの知識も必須です。MySQL、PostgreSQLなどが代表的ですね。
向いている人の特徴
「結局、自分はどっちに向いてるの?」
ここが一番気になるところですよね。もちろん個人差はありますが、傾向として以下のような違いがあります。
フロントエンドに向いている人
- デザインやビジュアルに興味がある
- 「見た目の美しさ」「使いやすさ」にこだわりたい
- 作ったものがすぐ画面に反映されると嬉しい
- ユーザー目線で考えるのが好き
- 細かいアニメーションや動きに凝りたい
バックエンドに向いている人
- ロジック(論理)を考えるのが好き
- パズルや数学的な思考が得意
- 「なぜ動くのか」という仕組みに興味がある
- 大量のデータを扱うことにワクワクする
- セキュリティや効率化に関心がある
とはいえ、最初から決める必要はありません。まずはどちらも触ってみて、「こっちの方が楽しい!」と感じた方を深掘りしていけばOKです。
年収・求人数の違いは?
気になるお金の話もしておきましょう。
結論から言うと、フロントエンドもバックエンドも、年収に大きな差はありません。どちらも経験を積めば年収500万〜700万円以上を目指せます。
ただし、傾向として以下の違いがあります。
| 項目 | フロントエンド | バックエンド |
|---|---|---|
| 求人数 | 多い | 多い |
| 未経験求人 | 比較的多い | やや少なめ |
| 平均年収 | 400万〜600万円 | 450万〜650万円 |
| 将来性 | ◎(需要増加中) | ◎(常に需要あり) |
バックエンドは「サーバー」「データベース」「セキュリティ」など覚えることが多いため、習得に時間がかかります。その分、専門性が高く、年収も上がりやすい傾向があります。
一方、フロントエンドは成果物が目に見えやすいため、ポートフォリオ(作品集)を作りやすく、未経験からの転職がしやすいメリットがあります。
「フルスタックエンジニア」という選択肢も
実は、両方できるエンジニアもいます。それが「フルスタックエンジニア」です。
フロントエンドもバックエンドも一人でこなせるため、
- 小規模なチームやスタートアップで重宝される
- 個人でWebサービスを作れる
- 全体像を把握できるので、設計力がつく
といったメリットがあります。
ただし、最初から両方を目指す必要はありません。まずはどちらかを軸にして、徐々に守備範囲を広げていくのが現実的なキャリアパスです。
初心者におすすめの学習ステップ
「で、結局何から始めればいいの?」という方に、おすすめのステップをお伝えします。
まずはフロントエンドから始めるのがおすすめ
理由はシンプル。成果が目に見えるからです。
HTML/CSSを学べば、すぐに「自分で作ったWebページ」が画面に表示されます。この「できた!」という体験が、学習を続けるモチベーションになります。
- HTML/CSSを学ぶ(1〜2週間)
- 簡単なWebページを作ってみる(1週間)
- JavaScriptの基礎を学ぶ(2〜4週間)
- ここで進路を決める
- → 見た目を極めたい → フロントエンドへ(React、Vue.js)
- → 裏側の仕組みに興味 → バックエンドへ(PHP、Ruby、Pythonなど)
焦る必要はありません。自分が「楽しい」と思える方を選んでください。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 項目 | フロントエンド | バックエンド |
|---|---|---|
| 役割 | ユーザーが見る部分を作る | 裏側のデータ処理を担う |
| レストランで例えると | ホール | キッチン |
| 主な言語 | HTML, CSS, JavaScript | PHP, Ruby, Python, Javaなど |
| 向いている人 | デザイン・UXに興味がある人 | ロジック・仕組みが好きな人 |
| 学習の始めやすさ | ◎(成果が見えやすい) | ○(覚えることが多め) |
フロントエンドとバックエンド、どちらもIT業界で欠かせない存在です。どちらを選んでも、スキルを磨けばしっかりキャリアを築けます。
大切なのは、「まず一歩を踏み出すこと」。
SKサービスでは、完全未経験からエンジニアを目指す方を積極的に採用しています。「フロントエンドとバックエンド、どっちがいいかまだ決められない…」という方も大丈夫。正社員として安定した環境で、実際の現場を経験しながら、自分に合った道を見つけていけます。
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