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インフラ入門 約8分で読めます

インフラエンジニアが最初に覚えるべきLinuxコマンド20選

「Linuxコマンドって何から覚えればいいの?」「種類が多すぎてわからない…」

インフラエンジニアとして働くなら、Linuxコマンドは避けて通れません。でも、コマンドの数は膨大で、何から手をつけていいかわからないですよね。

この記事では、未経験からインフラエンジニアを目指す方に向けて、現場で本当に使う基本コマンド20個を厳選して紹介します。まずはこれだけ覚えておけば大丈夫です!

コマンドを学ぶ前に:基本の考え方

コマンドを覚える前に、基本的なルールを押さえておきましょう。

コマンドの基本構文

コマンド [オプション] [引数]

例えば、ls -la /home という場合、以下のように分解できます。

  • ls:コマンド本体(ファイル一覧を表示)
  • -la:オプション(詳細表示+隠しファイルも表示)
  • /home:引数(対象のディレクトリ)

困ったときはヘルプを見よう

コマンドの使い方がわからないときは、以下の方法で確認できます。

# --helpオプション
ls --help

# manコマンド(マニュアル表示)
man ls

英語で表示されますが、オプションの一覧が見られるので便利です。

ディレクトリ操作のコマンド(5個)

まずは、ディレクトリ(フォルダ)を操作するコマンドです。

1. pwd(現在地を確認)

Print Working Directoryの略。今自分がどこにいるかを表示します。

$ pwd
/home/tanaka

迷子になったらまずpwd!これは基本中の基本です。

2. ls(ファイル一覧を表示)

Listの略。ディレクトリの中身を表示します。

# 基本の使い方
$ ls

# 詳細表示(よく使う!)
$ ls -l

# 隠しファイルも含めて詳細表示(最もよく使う!)
$ ls -la
オプション 意味
-l 詳細表示(権限、所有者、サイズなど)
-a 隠しファイル(.から始まるファイル)も表示
-h ファイルサイズを見やすく表示(KB、MBなど)

3. cd(ディレクトリを移動)

Change Directoryの略。別のディレクトリに移動します。

# /var/logに移動
$ cd /var/log

# 1つ上のディレクトリに戻る
$ cd ..

# ホームディレクトリに戻る
$ cd ~
# または
$ cd

4. mkdir(ディレクトリを作成)

Make Directoryの略。新しいディレクトリを作ります。

# testというディレクトリを作成
$ mkdir test

# 階層ごとまとめて作成(-pオプション)
$ mkdir -p /home/tanaka/work/project1

5. rmdir(空のディレクトリを削除)

Remove Directoryの略。空のディレクトリを削除します。

$ rmdir test

※中にファイルがあると削除できません。その場合は後述のrm -rを使います。

ファイル操作のコマンド(6個)

次は、ファイルを操作するコマンドです。

6. touch(空のファイルを作成)

新しい空のファイルを作成します。

$ touch newfile.txt

既存ファイルに使うと、更新日時だけが変わります。

7. cp(ファイルをコピー)

Copyの略。ファイルやディレクトリをコピーします。

# ファイルをコピー
$ cp original.txt copy.txt

# ディレクトリをまるごとコピー(-rオプション)
$ cp -r /home/tanaka/work /home/tanaka/backup

8. mv(ファイルを移動/名前変更)

Moveの略。ファイルの移動や名前変更に使います。

# ファイルを移動
$ mv file.txt /tmp/

# ファイル名を変更
$ mv oldname.txt newname.txt

9. rm(ファイルを削除)

Removeの略。ファイルを削除します。

# ファイルを削除
$ rm file.txt

# ディレクトリごと削除(-rオプション)
$ rm -r dirname

# 確認なしで強制削除(要注意!)
$ rm -rf dirname

⚠️ 注意:rm -rfは非常に強力です。間違えると大切なファイルが消えてしまいます。特にrm -rf /は絶対に実行しないでください!

10. cat(ファイルの中身を表示)

Concatenateの略。ファイルの内容を画面に表示します。

$ cat /etc/hosts

短いファイルの確認に便利です。長いファイルにはlessを使いましょう。

11. less(ファイルを1ページずつ表示)

長いファイルをスクロールしながら見られます。

$ less /var/log/messages
操作 キー
下にスクロール スペース or j
上にスクロール b or k
検索 /検索ワード
終了 q

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システム確認のコマンド(5個)

サーバーの状態を確認するコマンドです。監視業務でよく使います。

12. df(ディスク容量を確認)

Disk Freeの略。ディスクの使用状況を確認します。

$ df -h

-hオプションをつけると、GB/MBなど人間が読みやすい形式で表示されます。

13. free(メモリ使用量を確認)

メモリの使用状況を確認します。

$ free -h

14. top(リアルタイムでシステム状態を確認)

CPUやメモリの使用率をリアルタイムで表示します。

$ top

終了するにはqキーを押します。

15. ps(プロセス一覧を表示)

Process Statusの略。現在動いているプロセス(プログラム)を表示します。

# よく使うオプション
$ ps aux

特定のプロセスを探したい場合は、grepと組み合わせます。

$ ps aux | grep nginx

16. grep(文字列を検索)

ファイル内やコマンドの出力から、特定の文字列を検索します。

# ファイル内を検索
$ grep "error" /var/log/messages

# 大文字小文字を区別しない
$ grep -i "error" /var/log/messages

grepは本当によく使うので、しっかり覚えておきましょう。

ネットワーク関連のコマンド(4個)

ネットワークの確認や接続テストに使うコマンドです。

17. ping(接続確認)

対象のサーバーと通信できるかを確認します。

$ ping example.com

# 回数を指定(3回だけ)
$ ping -c 3 example.com

「通信できるかな?」と思ったら、まずpingです。

18. ifconfig / ip(IPアドレス確認)

サーバーのIPアドレスやネットワーク設定を確認します。

# 古いコマンド(まだ使えることが多い)
$ ifconfig

# 新しいコマンド(推奨)
$ ip addr

19. netstat / ss(ネットワーク接続状況を確認)

サーバーがどのポートで待ち受けているか、どこと通信しているかを確認します。

# 古いコマンド
$ netstat -an

# 新しいコマンド(推奨)
$ ss -tuln

20. curl(URLにアクセス)

コマンドラインからWebサイトにアクセスします。APIの確認などにも使えます。

# Webページの内容を取得
$ curl https://example.com

# HTTPステータスコードだけ確認
$ curl -I https://example.com

コマンドを効率よく覚えるコツ

20個のコマンドを一気に覚えるのは大変です。効率よく身につけるコツを紹介します。

1. 実際に手を動かす

読むだけでなく、実際にLinux環境で試してみましょう。WSL(Windows Subsystem for Linux)や仮想マシンを使えば、自分のパソコンでも練習できます。

2. よく使うものから覚える

最初は以下の10個から始めるのがおすすめです。

  1. pwdlscd(移動系)
  2. catless(ファイル確認)
  3. cpmvrm(ファイル操作)
  4. grep(検索)
  5. ping(ネットワーク確認)

3. エラーを恐れない

間違ったコマンドを打ってもパソコンは壊れません(rm -rfには注意ですが…)。たくさん試して、エラーメッセージから学びましょう。

まとめ

今回紹介した20個のコマンドを一覧表にまとめます。

カテゴリ コマンド 用途
ディレクトリ操作 pwd 現在地を表示
ls ファイル一覧を表示
cd ディレクトリを移動
mkdir ディレクトリを作成
rmdir 空のディレクトリを削除
ファイル操作 touch 空のファイルを作成
cp コピー
mv 移動/名前変更
rm 削除
cat ファイル内容を表示
less ページ送りで表示
システム確認 df ディスク容量を確認
free メモリ使用量を確認
top リアルタイム監視
ps プロセス一覧
grep 文字列検索
ネットワーク ping 接続確認
ip (ifconfig) IPアドレス確認
ss (netstat) 接続状況確認
curl URLにアクセス

この20個のコマンドは、インフラエンジニアとして働く上での基礎中の基礎です。最初から全部覚える必要はありません。実務で使いながら、少しずつ身につけていきましょう。

「コマンドを打つのが怖い」という気持ちは最初は誰でもあります。でも、練習すれば必ず慣れます。ぜひ、自分の手で試してみてくださいね!

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