「PHPはオワコン」「今さらPHPを学ぶ意味ない」
ネットでPHPについて調べると、こんな意見を目にすることがあります。
これからプログラミングを学ぼうとしている人にとって、「将来性がない言語を学んでも意味ないのでは…」と不安になりますよね。
結論から言うと、PHPは「オワコン」ではありません。
この記事では、「なぜオワコンと言われるのか?」「実際のところどうなのか?」を、データと現場の実態をもとに本音で解説します。
なぜ「PHPはオワコン」と言われるのか?
まず、なぜPHPがオワコンと言われるようになったのか、その背景を見てみましょう。
理由1:歴史が長く「古い」イメージがある
PHPは1995年に登場した言語。約30年の歴史があります。
IT業界では「新しい=良い」というイメージがあるため、長い歴史がかえって「古くて時代遅れ」という印象を与えてしまうことがあります。
理由2:昔のPHPには問題があった
2000年代のPHP(バージョン4〜5の初期)には、確かに問題がありました。
- 設計が一貫しておらず、複雑になりがち
- セキュリティに弱い書き方が許容されていた
- パフォーマンスが他言語より劣っていた
この時代にPHPを経験した人が「PHPはダメ」という印象を持ち、その評価が今も引きずられている面があります。
理由3:新しい言語・技術の登場
Python、Go、Rustなど、新しい言語が次々と登場しています。
特にPythonはAI・機械学習ブームで注目を集めており、「これからはPythonだ」「PHPはもう古い」という論調が生まれやすくなっています。
理由4:一部のエンジニアの偏見
正直なところ、「PHPを見下す」エンジニアが一定数存在します。
「PHPは初心者向け」「本格的な開発には向かない」といった意見です。しかし、これは必ずしも事実に基づいていない、偏った見方であることも多いです。
「オワコン」ではない5つの理由
ここからは、PHPがオワコンではない理由を、具体的なデータとともに説明します。
理由1:世界のWebサイトの約8割がPHP
W3Techsの調査によると、世界のWebサイトの約77%以上がPHPを使用しています(2025年時点)。
この数字は10年以上ほぼ変わっていません。「オワコン」なら、シェアは下がるはずですよね?
| 言語 | Webサイトでの使用率 |
|---|---|
| PHP | 約77% |
| Ruby | 約5% |
| Python | 約1.5% |
| Java | 約4% |
※サーバーサイド言語のシェア(W3Techs調べ)
理由2:WordPressの存在
世界のWebサイトの約43%がWordPressで作られています。そして、WordPressはPHPで動いています。
WordPressがなくならない限り、PHPの需要もなくなりません。そして、WordPressが近い将来なくなる兆候はまったくありません。
理由3:最新のPHPは高性能
「PHPは遅い」というのは、昔の話。
PHP 7以降は大幅にパフォーマンスが向上し、PHP 8ではさらに改善されています。JIT(Just-In-Time)コンパイラの導入により、実行速度は飛躍的に上がりました。
| PHPバージョン | リリース年 | 主な改善点 |
|---|---|---|
| PHP 5.6 | 2014年 | 旧バージョン |
| PHP 7.0 | 2015年 | 速度2倍以上に向上 |
| PHP 8.0 | 2020年 | JITコンパイラ導入 |
| PHP 8.3 | 2023年 | さらなる最適化 |
古いPHPのイメージで語っている人は、最新のPHPを知らない可能性が高いです。
理由4:Laravelの人気
Laravelというフレームワークの登場で、PHPでの開発は大きく変わりました。
モダンな開発手法、美しいコード、豊富な機能…。「PHPはダサい」という時代は終わり、PHPでもスタイリッシュな開発ができるようになっています。
Laravelは世界中で人気があり、GitHubのスター数も非常に多いです。
理由5:求人数は依然として多い
日本のWeb開発求人を見ると、PHPの求人は依然として非常に多いです。
特に以下のような分野で需要があります。
- WordPress関連(制作、カスタマイズ、プラグイン開発)
- ECサイト開発
- 業務システム開発
- 既存システムの保守・改修
「オワコン」なら、求人は減っているはず。しかし実態は違います。
PHPの「弱み」も正直に伝えます
とはいえ、PHPにも弱みがあります。公平に、正直にお伝えします。
弱み1:AI・機械学習には向かない
AI・機械学習をやりたいなら、Pythonを学ぶべきです。
PHPはWeb開発に特化した言語であり、AIの分野ではほぼ使われていません。
弱み2:スマホアプリには向かない
iPhoneやAndroidのアプリを作りたいなら、Swift、Kotlin、Flutterなどを学ぶべきです。
PHPでスマホアプリを作ることは、基本的にありません。
弱み3:「先端技術」のイメージは薄い
正直なところ、PHPに「先端技術」「最新トレンド」というイメージはありません。
「最先端のことをやりたい!」という方には、物足りなく感じるかもしれません。
弱み4:年収の上限はやや低め
PHPエンジニアの年収は、400万〜600万円がボリュームゾーン。
AIエンジニアやGo言語エンジニアと比べると、年収の上限はやや低めです。ただし、安定して仕事があり、未経験からでも入りやすい分野ではあります。
結局、PHPを学ぶべき?
「PHPを学ぶべきかどうか」は、あなたの目標によります。
PHPをおすすめする人
- Web開発をやりたい人
- 就職・転職を早く実現したい人
- 安定した仕事を求める人
- WordPress関連の仕事に興味がある人
- プログラミング初心者
PHP以外をおすすめする人
- AI・機械学習をやりたい人 → Python
- スマホアプリを作りたい人 → Swift、Kotlin、Flutter
- 最高年収を目指したい人 → Go、Rustなど
- ゲーム開発をやりたい人 → C#、C++
| 目的 | おすすめ言語 |
|---|---|
| Web開発(手堅く就職) | PHP(Laravel) |
| AI・データ分析 | Python |
| スマホアプリ | Swift / Kotlin / Flutter |
| 大規模システム | Java |
| 高年収を狙う | Go / Rust |
PHPエンジニアのキャリアパス
PHPエンジニアとして働き始めた後、どんなキャリアがあるのか見てみましょう。
パターン1:PHPを極める
PHP・Laravelのスペシャリストとして、シニアエンジニアを目指す道。設計力やチームリードの経験を積めば、年収600万円以上も十分可能です。
パターン2:フルスタックエンジニア
PHPに加えて、フロントエンド(React、Vue.js)も習得。一人で幅広い開発ができるようになれば、市場価値が上がります。
パターン3:他の言語にシフト
PHPで基礎を固めた後、Go、Python、Javaなど別の言語に移行する道も。プログラミングの基礎は共通しているので、2つ目以降の言語は習得が早くなります。
パターン4:マネジメントへ
プロジェクトマネージャー(PM)や開発リーダーへ進む道。技術だけでなく、人のマネジメントに興味がある方向け。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 疑問 | 回答 |
|---|---|
| PHPはオワコン? | いいえ。世界シェア約77%、求人も多い |
| なぜオワコンと言われる? | 歴史が長い、昔のイメージ、新言語の台頭 |
| 最新のPHPは? | PHP 8は高性能。昔とは別物 |
| 学ぶべき? | Web開発・就職が目的なら◎ |
| 弱みは? | AI・スマホアプリには不向き |
PHPは「オワコン」ではなく、「安定した需要がある成熟した言語」です。
華やかさはないかもしれませんが、手堅く仕事を得たい、Web開発で食べていきたいという方には、今でも最適な選択肢の一つ。
ネットの「オワコン」という声に惑わされず、自分の目標に合った言語を選んでくださいね。
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