「プログラマーとSEって何が違うの？」「どっちを目指せばいいの？」
IT業界に興味を持ち始めると、「プログラマー」と「SE（システムエンジニア）」という2つの職種が目に入ります。
「どっちもパソコンでプログラミングする人でしょ？」と思うかもしれませんが、実は役割が異なるんです。
この記事では、プログラマーとSEの違い、仕事内容、年収、向いている人について、わかりやすく解説します。
プログラマーとSEの違いを一言で
まず、ざっくりとした違いを説明します。
- SE（システムエンジニア）：システムの「設計」をする人
- プログラマー：設計をもとに「コードを書く」人
家を建てることに例えると、
- SE：設計図を描く「建築士」
- プログラマー：実際に家を建てる「大工さん」
というイメージです。
SE（システムエンジニア）の仕事内容
SEの仕事を詳しく見てみましょう。
1. 要件定義
お客さん（クライアント）と話し合い、「どんなシステムを作るか」を決める工程。
「何に困っているのか」「どんな機能がほしいのか」をヒアリングし、要件としてまとめます。
2. 基本設計・詳細設計
要件をもとに、システムの設計書を作成します。
- 画面のデザイン
- データベースの構造
- 機能の流れ
この設計書をプログラマーに渡して、実際の開発を依頼します。
3. プロジェクト管理
スケジュール管理、チームのマネジメント、お客さんとの調整など、プロジェクト全体を管理する役割も担います。
4. テスト・納品
完成したシステムが正しく動くかテストし、お客さんに納品します。
SEに求められるスキル
- コミュニケーション能力：お客さんとの折衝
- 論理的思考力：要件を整理し設計に落とし込む
- ドキュメント作成能力：設計書を書く
- マネジメント能力：チームやスケジュールの管理
プログラマーの仕事内容
次に、プログラマーの仕事を見てみましょう。
1. コーディング（プログラミング）
SEが作成した設計書をもとに、実際にプログラムを書きます。
Java、PHP、Python、JavaScriptなど、様々な言語を使ってコードを書く作業です。
2. 単体テスト
自分が書いたプログラムが正しく動くか、テストを行います。
バグ（不具合）を見つけて修正するのも大切な仕事です。
3. バグ修正・保守
リリース後に見つかったバグの修正や、システムの保守・改修も担当します。
プログラマーに求められるスキル
- プログラミングスキル：コードを書く技術
- 論理的思考力：効率的なアルゴリズムを考える
- 問題解決能力：バグの原因を見つけて修正する
- 学習意欲：新しい技術を常にキャッチアップ
プログラマーとSEの違いを比較
| 項目 | SE | プログラマー |
|---|---|---|
| 主な仕事 | 設計、要件定義、プロジェクト管理 | コーディング、テスト |
| 関わる工程 | 上流工程（企画〜設計） | 下流工程（開発〜テスト） |
| お客さんとの接点 | 多い | 少ない |
| 重視されるスキル | コミュニケーション、設計力 | プログラミング技術 |
| 年収（目安） | 450万〜700万円 | 350万〜550万円 |
実際の現場では境界が曖昧なことも
ここまで「SE」と「プログラマー」を分けて説明しましたが、実際の現場では境界が曖昧なことも多いです。
SEもコードを書く
会社や案件によっては、SEも普通にコーディングします。
「設計だけする人」「コードだけ書く人」と明確に分かれているとは限りません。
プログラマーも設計に関わる
経験を積んだプログラマーは、設計の一部を任されることもあります。
技術的な知見を活かして、SEと一緒に設計を考えることも珍しくありません。
Web系では「エンジニア」で統一されることも
特にWeb系企業やスタートアップでは、「SE」「プログラマー」という区分をせず、「エンジニア」として一括りにすることが多いです。
設計からコーディングまで、一人で担当することも珍しくありません。
向いている人の特徴
SEに向いている人
- 人と話すのが好き：お客さんとのコミュニケーションが多い
- 全体を俯瞰するのが得意：プロジェクト全体を見渡す
- 段取りが好き：計画を立てて進めるのが得意
- ドキュメント作成が苦じゃない：設計書を書く機会が多い
プログラマーに向いている人
- ものづくりが好き：自分の手で作り上げる喜び
- 技術を深掘りしたい：コードやアルゴリズムに興味がある
- 黙々と作業するのが好き：集中してコードを書く
- 問題を解くのが好き：パズルを解くような感覚
キャリアパスの違い
プログラマーからSEへ
一般的なキャリアパスは、プログラマーとして経験を積み、SEにステップアップする流れ。
コードを書く経験があるからこそ、現実的な設計ができるようになります。
その他のキャリアパス
| キャリアの方向 | 内容 |
|---|---|
| プロジェクトマネージャー（PM） | プロジェクト全体を統括 |
| テックリード | 技術面でチームを引っ張る |
| アーキテクト | システム全体の設計を担当 |
| スペシャリスト | 特定分野の専門家 |
| フリーランス | 独立して案件を受ける |
未経験者はどちらを目指すべき？
「未経験からIT業界に入りたい」という方は、まずプログラマーを目指すのがおすすめです。
理由1：技術の基礎が身につく
SEとして設計するにも、「作る側の視点」を知っていることが重要。
プログラミング経験があれば、現実的で質の高い設計ができます。
理由2：未経験で入りやすい
プログラマーは技術力重視なので、スキルを身につければ未経験でも採用されやすいです。
SEは経験やコミュニケーション力も重視されるため、いきなり目指すのは難しいことが多いです。
理由3：自分の適性を見極められる
実際に開発を経験してみて、「もっと技術を深掘りしたい」のか「全体を管理したい」のか、自分の志向が見えてきます。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 項目 | SE | プログラマー |
|---|---|---|
| 役割 | 設計、管理、折衝 | コーディング、テスト |
| 工程 | 上流工程 | 下流工程 |
| 向いている人 | コミュニケーション好き | 技術・ものづくり好き |
| 未経験者 | まずプログラマーから | 目指しやすい |
SEとプログラマー、どちらもIT業界には欠かせない存在です。
最初からどちらかに決める必要はありません。まずはプログラミングを学び、経験を積みながら自分のキャリアを考えていきましょう！
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