「Web系とSIerって何が違うの?」「どっちに就職した方がいいの?」
IT業界を調べていると、「Web系」と「SIer」という2つの言葉がよく出てきます。
同じIT業界でも、この2つは文化も働き方もかなり違います。
この記事では、Web系とSIerの違いを、仕事内容・働き方・年収・キャリアなど、あらゆる角度から比較してわかりやすく解説します。
Web系とSIerの違い【一覧表】
まず、主な違いを一覧で見てみましょう。
| 項目 | Web系 | SIer |
|---|---|---|
| 何を作る? | 自社Webサービス、アプリ | 企業の業務システム |
| お客さん | 一般ユーザー(toC) | 企業(toB) |
| 開発スタイル | アジャイル | ウォーターフォール |
| 技術トレンド | 最新技術を採用しやすい | 安定重視、レガシーも多い |
| 服装 | 私服OK | スーツが多い |
| 平均年齢 | 若め(20〜30代中心) | 幅広い |
Web系とは?
Web系とは、インターネットを使ったサービスを自社で開発・運営する企業のこと。
代表的な企業
- メガベンチャー:メルカリ、サイバーエージェント、LINE、楽天
- スタートアップ:様々なベンチャー企業
- EC系:ZOZO、BASE
- メディア系:クックパッド、食べログ
Web系の特徴
- 自社サービス開発:自分たちのサービスを作る
- スピード重視:素早くリリースし、改善を繰り返す
- モダンな技術:React、Go、AWSなど新しい技術を使う
- 自由な社風:私服OK、フレックス、リモートワーク
- フラットな組織:年功序列より実力主義
SIerとは?
SIer(エスアイアー)は「System Integrator」の略で、お客さん(企業)の業務システムを開発する企業のこと。
代表的な企業
- 大手SIer:NTTデータ、富士通、NEC、日立製作所
- ユーザー系:野村総合研究所(NRI)、SCSK、伊藤忠テクノソリューションズ
- 独立系:TIS、大塚商会、BIPROGY
SIerの特徴
- 受託開発:お客さんから依頼を受けてシステムを作る
- 大規模プロジェクト:銀行、官公庁、大企業のシステム
- ウォーターフォール開発:計画→設計→開発→テストの流れ
- ドキュメント重視:設計書や仕様書をしっかり作成
- 安定した経営:大企業が多く、福利厚生も充実
働き方の違い
開発スタイル
| 項目 | Web系 | SIer |
|---|---|---|
| 開発手法 | アジャイル | ウォーターフォール |
| リリース頻度 | 毎日〜毎週 | 数ヶ月〜数年に1回 |
| 仕様変更 | 柔軟に対応 | 変更は難しい |
| ドキュメント | 必要最小限 | 詳細に作成 |
職場環境
| 項目 | Web系 | SIer |
|---|---|---|
| 服装 | 私服OK | スーツ・ビジネスカジュアル |
| 勤務時間 | フレックスが多い | 定時が多い |
| リモートワーク | 普及している | 会社による(進んでいる所も) |
| 残業 | 会社による | プロジェクトによる |
使う技術の違い
| 項目 | Web系 | SIer |
|---|---|---|
| 言語 | Go、Python、Ruby、TypeScript | Java、C#、COBOL |
| フレームワーク | React、Vue.js、Rails、Django | Spring、.NET |
| インフラ | AWS、GCP、Docker、Kubernetes | オンプレミス、一部クラウド |
| 技術選定 | エンジニア主導 | 会社やお客さんの方針 |
Web系は新しい技術を積極的に採用する傾向があります。一方、SIerは安定性・実績を重視するため、成熟した技術を使うことが多いです。
年収の違い
年収はどちらが高いのでしょうか?
| 経験 | Web系 | SIer |
|---|---|---|
| 新卒・未経験 | 350万〜450万円 | 350万〜450万円 |
| 3〜5年 | 450万〜650万円 | 450万〜600万円 |
| 5〜10年 | 600万〜900万円 | 550万〜800万円 |
| マネージャー | 800万〜1200万円 | 700万〜1000万円 |
Web系の方が年収の上限が高い傾向があります。ただし、大手SIerも高年収ですし、Web系でも会社によって差があります。
キャリアパスの違い
Web系のキャリアパス
- エンジニア → テックリード → CTO
- エンジニア → エンジニアリングマネージャー
- エンジニア → フリーランス / 起業
- スペシャリストとして技術を極める
SIerのキャリアパス
- プログラマー → SE → プロジェクトリーダー → プロジェクトマネージャー
- 技術職 → 管理職
- ITコンサルタントへの転身
- 社内SE(事業会社の情シス)への転職
Web系は技術を極めるキャリアがある一方、SIerは管理職・マネジメントへの道が明確です。
メリット・デメリットまとめ
Web系のメリット
- モダンな技術が使える
- 自由な社風・働き方
- サービスへの愛着を持てる
- 年収の上限が高い
Web系のデメリット
- 未経験では入りにくい
- 会社の安定性にばらつき
- 技術が偏る可能性
- ハードワークな企業も
SIerのメリット
- 大手は安定している
- 大規模プロジェクトの経験
- 福利厚生が充実
- 上流工程の経験が積める
SIerのデメリット
- レガシー技術が多い
- お客さん都合で振り回されることも
- 堅い社風の企業も
- 技術より管理職ルートが主流
どっちを選べばいい?タイプ別おすすめ
Web系が向いている人
- 新しい技術を追いかけたい
- 自由な環境で働きたい
- 自分のサービスを作りたい
- スピード感を持って働きたい
SIerが向いている人
- 安定した環境で働きたい
- 大規模プロジェクトを経験したい
- 上流工程(設計・管理)をやりたい
- 社会インフラを支える仕事がしたい
未経験者はどちらを目指すべき?
未経験からIT業界に入る場合、正直どちらも入りにくいです。
特にWeb系の人気企業は競争率が高く、未経験では厳しいのが現実。
おすすめの戦略は、
- SES企業でまず経験を積む
- 2〜3年の実務経験を得る
- Web系 or SIerに転職する
最初から理想の会社に入れなくても、経験を積んでステップアップすればOK!
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 項目 | Web系 | SIer |
|---|---|---|
| 作るもの | 自社サービス | 企業の業務システム |
| 技術 | モダン | 安定重視 |
| 社風 | 自由 | 堅め |
| キャリア | 技術特化もあり | 管理職が主流 |
| 未経験 | 入りにくい | 入りにくい(大手) |
Web系とSIer、どちらが「正解」ということはありません。自分の価値観や目指すキャリアに合った方を選びましょう。
SKサービスでは、Web系の現場もSIerの現場も経験できるチャンスがあります。「自分にどっちが合うかわからない」という方は、実際に両方を経験してみるのもアリ!まずはお気軽にご相談ください。