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プログラミング入門 約7分で読めます

APIとは?初心者でもわかる仕組みと使い方

APIとは?初心者でもわかる仕組みと使い方

「APIって何?」「API連携ってよく聞くけど、どういう意味?」

プログラミングを学び始めると、必ず出会う言葉がAPI(エーピーアイ)です。

なんとなく難しそうに感じるかもしれませんが、実は私たちは日常的にAPIの恩恵を受けています。

この記事では、APIの仕組みを身近な例えを使ってわかりやすく解説します。

APIとは?

APIは「ソフトウェア同士の窓口」

APIは「Application Programming Interface」の略で、日本語では「アプリケーション・プログラミング・インターフェース」と呼びます。

簡単に言うと、「ソフトウェア同士が情報をやり取りするための窓口(ルール)」のことです。

たとえば、あなたがレストランに行ったとき、直接キッチンに入って料理を作ることはできませんよね。代わりにウェイターに注文を伝え、ウェイターがキッチンに伝え、できた料理を持ってきてくれます。

この「ウェイター」の役割をするのがAPIです。

【あなた(アプリA)】
    │
    │ 「天気情報をください」(リクエスト)
    ▼
【API(ウェイター)】
    │
    │ キッチン(サーバー)に注文を伝える
    ▼
【天気情報サービス(アプリB)】
    │
    │ 情報を準備
    ▼
【API(ウェイター)】
    │
    │ 「東京は晴れ、気温20度です」(レスポンス)
    ▼
【あなた(アプリA)】

なぜAPIが必要なのか?

「直接データを取りに行けばいいのでは?」と思うかもしれません。

しかし、APIがあることで以下のメリットがあります:

  • セキュリティ:内部のデータベースに直接アクセスさせない
  • 簡単さ:複雑な処理を意識せず、決まった方法でデータを取得できる
  • 標準化:どのアプリからでも同じ方法でアクセスできる

身近なAPIの例

実は、私たちは毎日APIを使っています。具体例を見てみましょう。

例①:天気予報アプリ

スマホの天気予報アプリは、気象庁や民間の気象会社が提供する天気APIからデータを取得して表示しています。

アプリ開発者が自分で天気を観測しているわけではありません。

例②:Googleマップの埋め込み

Webサイトに表示されているGoogleマップは、Google Maps APIを使って埋め込まれています。

Googleが提供するAPIを使うことで、自分で地図を作らなくても、高機能な地図をサイトに表示できます。

例③:SNSログイン(Googleでログイン)

「Googleでログイン」「LINEでログイン」というボタンを見たことがあるでしょう。

これは各サービスが提供する認証APIを使っています。ユーザーは新しくアカウントを作らなくても、既存のアカウントでログインできます。

例④:オンライン決済

ECサイトでクレジットカード決済をするとき、裏側では決済API(Stripe、PayPayなど)が動いています。

お店が直接カード情報を扱うのではなく、決済サービスのAPIを通じて安全に処理されます。

APIの仕組み(リクエストとレスポンス)

APIの基本的な動きは、「リクエスト」と「レスポンス」の2つです。

リクエスト(要求)

「このデータをください」「この処理をしてください」とAPIに依頼することをリクエストと呼びます。

レスポンス(応答)

リクエストに対して、APIが返してくれるデータや結果をレスポンスと呼びます。

【リクエストの例】
「東京の今日の天気を教えて」

【レスポンスの例】
{
  "city": "東京",
  "weather": "晴れ",
  "temperature": 20,
  "humidity": 45
}

このレスポンスはJSON(ジェイソン)という形式で返されることが多いです。JSONはデータを構造化して表現する形式で、プログラムから扱いやすいのが特徴です。

Web APIでよく使われる「HTTPメソッド」

Web上でAPIを使う場合、HTTPメソッドというものでリクエストの種類を指定します。

メソッド 意味
GET データを取得する ユーザー情報を取得
POST データを新規作成する 新しい投稿を作成
PUT データを更新する プロフィールを更新
DELETE データを削除する 投稿を削除

最もよく使うのはGET(データを取ってくる)とPOST(データを送る)の2つです。

APIを使ってみよう(簡単な例)

実際にAPIを使う簡単な例を見てみましょう。

例:郵便番号から住所を取得するAPI

zipcloudという無料のAPIを使うと、郵便番号から住所を取得できます。

ブラウザで以下のURLにアクセスしてみてください:

https://zipcloud.ibsnet.co.jp/api/search?zipcode=1000001

すると、以下のようなJSONデータが返ってきます:

{
  "status": 200,
  "results": [
    {
      "zipcode": "1000001",
      "prefcode": "13",
      "address1": "東京都",
      "address2": "千代田区",
      "address3": "千代田"
    }
  ]
}

このように、郵便番号「100-0001」に対応する住所(東京都千代田区千代田)が返ってきます。

プログラムからこのAPIを呼び出せば、郵便番号入力時に住所を自動入力する機能が作れます。

APIを使う際の注意点

① 利用規約を確認する

APIには利用規約があります。無料で使えるものでも、商用利用が禁止されていたり、1日のリクエスト回数に制限があったりします。必ず確認しましょう。

② APIキーの管理

多くのAPIではAPIキー(認証用の文字列)が必要です。このAPIキーはパスワードと同じ扱いで、他人に知られないよう管理する必要があります。

GitHubなどに公開するコードにAPIキーを含めないよう注意しましょう。

③ エラーハンドリング

APIは常に正常に動くとは限りません。ネットワークエラーやサーバーエラーが発生する可能性があります。エラー時の処理(エラーハンドリング)も実装しておきましょう。

よく使われる公開API

プログラミング学習や個人開発で使える、無料の公開APIをいくつか紹介します。

API名 できること
OpenWeatherMap 世界中の天気情報を取得
郵便番号検索API 郵便番号から住所を検索
PokeAPI ポケモンの情報を取得(学習用に人気)
Google Maps API 地図の表示、経路検索
YouTube Data API YouTube動画の情報を取得
Twitter API ツイートの取得・投稿

APIを学ぶメリット

APIを理解し、使いこなせるようになると、以下のようなことができるようになります:

  • 外部サービスと連携したアプリが作れる
  • 自分でデータを用意しなくても、豊富なデータを活用できる
  • 他のサービスと組み合わせて、便利なツールが作れる

現代のWebサービスは、APIなしでは成り立たないと言っても過言ではありません。エンジニアとして働くなら、APIの基礎知識は必須です。

まとめ

用語 意味
API ソフトウェア同士が情報をやり取りするための窓口
リクエスト APIへの要求(「データをください」)
レスポンス APIからの応答(返ってくるデータ)
JSON データをやり取りするときによく使われる形式
APIキー APIを使うための認証情報(パスワードのようなもの)

APIは最初は難しく感じるかもしれませんが、実際に使ってみると「こんな簡単にデータが取れるんだ!」と感動するはずです。

まずは無料の公開APIを使って、実際にデータを取得してみることから始めてみましょう。

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