「データベースって何?」「SQLってよく聞くけど、どういう意味?」
プログラミングを学んでいると、必ず出てくるのが「データベース」という言葉。
Webアプリ、スマホアプリ、業務システム…あらゆるシステムの裏側で、データベースが動いています。
この記事では、データベースとは何か、なぜ必要なのかを「図書館」に例えて、初心者の方にもわかりやすく解説します。
データベースとは?
データベース(Database、DBと略されることも)は、データを整理して保存し、必要な時に取り出せる仕組みです。
もっと簡単に言うと、「たくさんのデータを上手に管理する箱」です。
「図書館」で考えてみよう
図書館を想像してください。
図書館には何万冊もの本がありますが、読みたい本をすぐに見つけられますよね?
それは、本が「著者名」「ジャンル」「出版年」などで整理されているから。さらに、検索システムを使えば、一瞬で目的の本を探せます。
データベースも同じです。
- データを整理して保存する
- 必要なデータをすぐに取り出せる
- 検索・追加・修正・削除が簡単にできる
Excelとの違い
「それって、Excelでもできるんじゃ?」と思うかもしれません。
確かにExcelもデータを管理できますが、データベースにはExcelにはない強みがあります。
| 比較項目 | Excel | データベース |
|---|---|---|
| データ量 | 数万行が限界 | 数億行でもOK |
| 複数人での同時編集 | 苦手 | 得意 |
| 検索速度 | 遅くなりがち | 高速 |
| Webアプリとの連携 | 難しい | 簡単 |
| データの整合性 | 管理が大変 | 自動で保証 |
小規模なデータならExcelで十分ですが、本格的なシステムを作るならデータベースが必須です。
データベースで何ができる?
データベースを使うと、こんなことができます。
1. データの保存
ユーザー情報、商品情報、注文履歴など、アプリに必要なデータを保存できます。
2. データの検索
「東京都に住む20代のユーザー」「価格が1000円以下の商品」など、条件を指定してデータを探せます。
3. データの更新・削除
ユーザーがパスワードを変更したり、商品の在庫数を減らしたり。データの書き換えも簡単です。
4. データの集計
「今月の売上合計」「商品カテゴリ別の販売数」など、集計・分析もできます。
データベースの基本構造
データベースの中身を見てみましょう。
テーブル(表)
データは「テーブル」という表形式で保存されます。Excelのシートのようなイメージです。
例えば、「ユーザーテーブル」はこんな形になります。
| id | name | age | |
|---|---|---|---|
| 1 | 田中太郎 | tanaka@example.com | 25 |
| 2 | 佐藤花子 | sato@example.com | 30 |
| 3 | 鈴木一郎 | suzuki@example.com | 22 |
基本用語
| 用語 | 意味 | 図書館で例えると |
|---|---|---|
| テーブル | データを格納する表 | 本棚の1つのジャンル |
| カラム(列) | データの種類(名前、年齢など) | 「タイトル」「著者」などの項目 |
| レコード(行) | 1件のデータ | 1冊の本の情報 |
| 主キー(ID) | 各レコードを識別する番号 | 本の管理番号 |
SQLとは?
データベースを操作するには、SQL(エスキューエル)という言語を使います。
SQLは「Structured Query Language」の略で、データベースに命令を出すための言語です。
SQLでできる4つの操作(CRUD)
| 操作 | SQLコマンド | 意味 |
|---|---|---|
| Create | INSERT | データを追加する |
| Read | SELECT | データを取得する |
| Update | UPDATE | データを更新する |
| Delete | DELETE | データを削除する |
SQLの例
-- 全ユーザーを取得
SELECT * FROM users;
-- 20歳以上のユーザーを取得
SELECT * FROM users WHERE age >= 20;
-- 新しいユーザーを追加
INSERT INTO users (name, email, age) VALUES ('山田次郎', 'yamada@example.com', 28);
-- ユーザー情報を更新
UPDATE users SET age = 26 WHERE id = 1;
-- ユーザーを削除
DELETE FROM users WHERE id = 3;
英語に近い文法なので、慣れれば直感的に理解できます。
データベースの種類
データベースにはいくつかの種類があります。
リレーショナルデータベース(RDB)
最も一般的なタイプ。表形式でデータを管理します。
代表的な製品:
- MySQL:最も人気。無料で使える
- PostgreSQL:高機能。大規模システム向け
- Oracle Database:企業向け。高価だが高性能
- SQLite:軽量。スマホアプリなどに使用
NoSQL
表形式ではない、柔軟な構造のデータベース。大量データの高速処理に向いています。
代表的な製品:
- MongoDB:ドキュメント型。JSONライクな構造
- Redis:超高速。キャッシュに使われる
| 種類 | 特徴 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| RDB(MySQL等) | データの整合性が高い、SQLで操作 | 一般的なWebアプリ、業務システム |
| NoSQL(MongoDB等) | 柔軟、高速、スケールしやすい | 大量データ、リアルタイム処理 |
初心者は、まずMySQLから始めるのがおすすめ。最も使われており、学習資料も豊富です。
データベースの学習ステップ
データベースを学ぶおすすめの順序です。
- データベースの基本概念を理解する
- SQLの基本を学ぶ(SELECT, INSERT, UPDATE, DELETE)
- MySQLをインストールして実際に触る
- テーブル設計の基礎を学ぶ
- プログラミング言語と連携させてみる
SQLは、プログラミング言語に比べると覚えることが少なく、習得しやすいです。基本的な操作なら1〜2週間で身につきます。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| データベースとは | データを整理して保存・取り出しできる仕組み |
| SQLとは | データベースを操作するための言語 |
| 基本操作(CRUD) | 作成・読取・更新・削除 |
| 代表的な製品 | MySQL, PostgreSQL, MongoDB |
| 初心者におすすめ | MySQLから始める |
データベースは、バックエンド開発には必須のスキルです。
「何だか難しそう…」と思うかもしれませんが、基本を押さえれば意外とシンプル。Webアプリを作る楽しさが広がりますよ!
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