「Djangoって何?」「PythonでWeb開発するなら必要?」
PythonでWeb開発を調べると必ず出てくるのがDjango(ジャンゴ)というフレームワーク。
InstagramやPinterestなど、世界的に有名なサービスもDjangoで作られているほど、信頼性の高いフレームワークです。
この記事では、「Djangoとは何か?」から「どんな特徴があるのか?」まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
Djangoとは?
Django(ジャンゴ)は、PythonでWebアプリケーションを作るためのフレームワークです。
2005年に公開されて以来、世界中の開発者に愛用されており、PythonのWeb開発フレームワークの代表格と言える存在です。
名前の由来
「Django」という名前は、ジャズギタリストのジャンゴ・ラインハルトに由来しています。開発者がジャズ好きだったことから名付けられたそうです。
ちなみに、読み方は「ディージャンゴ」ではなく「ジャンゴ」。最初の「D」は発音しません。
Djangoで作られた有名サービス
Djangoは、多くの有名サービスで採用されています。
- Instagram(写真共有SNS)
- Pinterest(画像共有SNS)
- Spotify(音楽ストリーミング)の一部
- Mozilla(Firefoxの開発元)のサービス
- NASAの一部のシステム
これだけの大規模サービスで使われているのですから、信頼性は折り紙つきですね。
Djangoの特徴5つ
Djangoには、他のフレームワークにはない特徴があります。5つのポイントを見ていきましょう。
1.「フルスタック」フレームワーク
Djangoは「フルスタック」と呼ばれるタイプのフレームワークです。
Web開発に必要な機能(データベース操作、ユーザー認証、管理画面など)が最初からすべて揃っています。外部のライブラリを探し回る必要がありません。
| 機能 | Djangoに含まれる? |
|---|---|
| データベース操作(ORM) | ✓ 含まれる |
| ユーザー認証(ログイン) | ✓ 含まれる |
| 管理画面 | ✓ 含まれる |
| セキュリティ対策 | ✓ 含まれる |
| フォーム処理 | ✓ 含まれる |
2. 強力な管理画面が自動生成される
Djangoの大きな特徴が、管理画面(Admin)の自動生成です。
データベースのテーブルを定義するだけで、そのデータを追加・編集・削除できる管理画面が自動で作られます。
通常、管理画面を1から作ると何日もかかりますが、Djangoならほぼノーコードで完成。これだけでもDjangoを使う価値があると言われるほどです。
3. セキュリティに強い
Webアプリには、さまざまなセキュリティリスクがあります。
- SQLインジェクション(データベースへの不正アクセス)
- XSS(クロスサイトスクリプティング)
- CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)
Djangoは、これらの代表的な攻撃への対策がフレームワークに組み込まれています。開発者が特別な対策をしなくても、ある程度安全なアプリが作れるんです。
4. ORM(オーアールエム)でデータベース操作が簡単
通常、データベースを操作するにはSQL(エスキューエル)という言語を使います。しかしDjangoでは、Pythonのコードだけでデータベース操作が可能です。
この仕組みをORM(Object-Relational Mapping)と呼びます。
# Djangoでのデータ取得(Pythonで書ける)
users = User.objects.filter(age__gte=20)
# 同じ処理をSQLで書くと…
# SELECT * FROM users WHERE age >= 20
SQLを知らなくても、直感的にデータベースを操作できます。
5. 大規模開発に強い
Djangoは「アプリ」という単位でコードを分割できるため、大規模なプロジェクトでもコードが整理しやすいです。
InstagramやPinterestのような巨大サービスでも使われていることからも、スケーラビリティ(拡張性)の高さがわかりますね。
DjangoとFlaskの違い
PythonのWeb開発では、Djangoの他にFlask(フラスク)も有名です。どう違うのでしょうか?
| 比較項目 | Django | Flask |
|---|---|---|
| タイプ | フルスタック | マイクロフレームワーク |
| 機能 | 全部入り | 最小限 |
| 学習コスト | やや高い | 低い |
| 自由度 | やや低い(ルールあり) | 高い |
| 向いている規模 | 中〜大規模 | 小〜中規模 |
| 管理画面 | 自動生成 | なし(自作) |
どちらを選ぶべき?
- Django:機能が豊富で「レールに乗って」開発したい人。大規模開発、チーム開発向け
- Flask:シンプルに始めたい人。小規模アプリ、API開発向け
初心者がWebアプリを作りたいなら、最初から機能が揃っているDjangoの方がおすすめです。「何を使えばいいか調べる」手間が省けます。
Djangoの基本構造「MTV」とは?
DjangoはMTV(エムティーブイ)というアーキテクチャ(設計パターン)を採用しています。
| 頭文字 | 名称 | 役割 |
|---|---|---|
| M | Model(モデル) | データベースとのやり取り |
| T | Template(テンプレート) | HTMLの見た目を担当 |
| V | View(ビュー) | 処理のロジック(何をするか) |
これは、コードを「役割ごとに分けて管理する」ための仕組み。初心者のうちは「そういう構造なんだな」程度の理解でOKです。
Djangoを始める前に必要なもの
「Djangoを学んでみたい!」という方へ、事前に身につけておくべきスキルを紹介します。
必須スキル
- Pythonの基礎
- 変数、データ型
- 条件分岐、繰り返し
- 関数の作り方
- クラスの基本
- HTMLの基礎
- タグの意味
- 基本的なページ構造
あると良いスキル
- CSSの基礎(見た目の装飾)
- データベースの基本概念
- コマンドライン(ターミナル)の操作
Djangoの学習ステップ
おすすめの学習順序を紹介します。
- Pythonの基礎を固める(1〜2ヶ月)
- HTML/CSSを学ぶ(1〜2週間)
- Django公式チュートリアルを進める
- 簡単なWebアプリを作ってみる(ToDoアプリなど)
- 機能を追加して、オリジナルアプリに発展
Django公式サイトには、丁寧なチュートリアルが用意されています。英語ですが、日本語に翻訳されたサイトもあるので、まずは公式チュートリアルから始めるのがおすすめです。
Djangoの求人状況
気になる求人事情についても触れておきましょう。
正直なところ、日本のWeb開発求人ではPHP(Laravel)やRuby(Rails)の方が多いです。
ただし、Djangoの強みはAIやデータ分析との相性の良さ。機械学習を組み込んだWebアプリや、データ分析ダッシュボードなどの開発では、Djangoが選ばれることがあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 求人数 | やや少なめ(PHPやRubyより少ない) |
| 年収目安 | 400万〜650万円 |
| 将来性 | ○(AI連携案件で需要あり) |
| こんな人向け | Pythonを軸にWeb開発もしたい人 |
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Djangoとは | PythonのフルスタックWebフレームワーク |
| 特徴 | 機能全部入り、管理画面自動生成、セキュリティ強い |
| Flaskとの違い | Django=フル機能、Flask=シンプル軽量 |
| 学習前提 | Pythonの基礎、HTMLの基礎 |
| 向いている人 | Python軸でWeb開発したい人、AI連携に興味ある人 |
Djangoは、PythonでWeb開発をするなら最有力候補のフレームワークです。特に「AIやデータ分析も興味あるけど、Webアプリも作りたい」という方には最適な選択肢。
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