「Dockerって最近よく聞くけど、何?」「コンテナって何のこと?」
モダンな開発現場で必ずと言っていいほど使われているDocker(ドッカー)。求人でも「Docker経験あれば尚可」という文言をよく見かけます。
でも、「仮想化」「コンテナ」と言われても、初心者にはピンときませんよね。
この記事では、Dockerとは何かを「お弁当箱」に例えて、初心者の方にもわかりやすく解説します。
Dockerとは?
Docker(ドッカー)は、アプリケーションを「コンテナ」という箱に入れて動かす技術です。
2013年に登場して以来、急速に普及し、今では開発現場の標準ツールと言えるほど広く使われています。
「お弁当箱」で理解するDocker
Dockerを理解するために、お弁当を想像してください。
お弁当箱には、ご飯、おかず、箸、調味料など、食べるのに必要なものがすべて入っていますよね?
どこに持っていっても、お弁当箱を開ければ同じ食事ができます。会社でも、公園でも、新幹線の中でも。
Dockerの「コンテナ」もこれと同じ。アプリを動かすのに必要なものをすべて詰め込んだ「箱」です。
この箱さえあれば、どのパソコンでも、どのサーバーでも、同じようにアプリが動きます。
Dockerが解決する問題
「そもそも、なんでそんな技術が必要なの?」という疑問に答えましょう。
「私のパソコンでは動くのに…」問題
開発現場でよくある悲劇がこれです。
- Aさん「このアプリ、動かないんですけど…」
- Bさん「え?僕のパソコンでは動くよ?」
なぜこんなことが起きるのでしょうか?
アプリを動かすには、プログラミング言語のバージョン、ライブラリ、設定など、様々な「環境」が必要です。
人によって環境が微妙に違うため、「Aさんの環境では動くけど、Bさんの環境では動かない」という問題が起きるのです。
Dockerなら環境ごと配れる
Dockerを使えば、アプリだけでなく「動かすための環境」もセットで配布できます。
お弁当箱のように「必要なものが全部入った状態」で渡せるので、誰が使っても同じように動くのです。
| Dockerなし | Dockerあり |
|---|---|
| 「私の環境では動く」問題が発生 | 誰の環境でも同じように動く |
| 環境構築に何時間もかかる | コマンド1つで環境構築完了 |
| 「バージョン違いでエラー」が頻発 | バージョンも含めて固定できる |
Dockerの基本用語
Dockerを理解するために、基本的な用語を押さえましょう。
| 用語 | 意味 | お弁当で例えると |
|---|---|---|
| コンテナ | アプリと環境を詰め込んだ「箱」 | お弁当箱(中身入り) |
| イメージ | コンテナを作るための「設計図」 | お弁当のレシピ |
| Dockerfile | イメージを作るための「指示書」 | レシピの手順書 |
| Docker Hub | イメージを共有する「倉庫」 | レシピ共有サイト |
流れとしては、
- Dockerfile(手順書)を書く
- Dockerfileからイメージ(設計図)を作る
- イメージからコンテナ(実際の箱)を起動する
となります。
コンテナと仮想マシンの違い
「仮想マシン(VM)」という似た技術があります。違いを見てみましょう。
| 項目 | コンテナ(Docker) | 仮想マシン(VM) |
|---|---|---|
| 起動時間 | 数秒 | 数分 |
| サイズ | 軽い(MB単位) | 重い(GB単位) |
| リソース消費 | 少ない | 多い |
| イメージ | お弁当箱 | キッチンごと持ち運ぶ |
仮想マシンは「OS(WindowsやLinux)ごと仮想化する」のに対し、コンテナは「アプリに必要な部分だけ」を切り出します。
そのため、コンテナの方が軽くて速いのです。
Dockerのメリット
Dockerを使うメリットをまとめます。
1. 環境構築が一瞬で終わる
通常、開発環境を作るには数時間〜数日かかることも。Dockerならコマンド1つで環境が整います。
docker-compose up
これだけで、必要な環境がすべて立ち上がります。
2. チーム全員が同じ環境で開発できる
「Aさんの環境では動くけど、Bさんでは動かない」がなくなります。新しいメンバーが入ってきても、すぐに開発を始められます。
3. 本番環境との差異をなくせる
開発環境と本番環境で同じDockerイメージを使えば、「開発では動いたのに、本番で動かない」という問題を防げます。
4. 環境を壊しても大丈夫
コンテナは使い捨てできます。環境が壊れたら、捨てて新しいコンテナを立ち上げればOK。何度でもやり直せる安心感があります。
Dockerはいつ学ぶべき?
「初心者がDockerを学ぶ必要はある?」という疑問に答えます。
今すぐ必要ではないが、早めに触れておくと◎
プログラミング学習の最初の段階では、Dockerは必須ではありません。まずは言語の基礎を固めましょう。
ただし、実務ではほぼ確実に使うので、基礎が固まったら早めに触れておくのがおすすめです。
こんな人は早めに学ぶべき
- チーム開発の経験を積みたい人
- モダンな開発環境に慣れたい人
- 環境構築でよく躓く人
- LaravelやRailsなどのフレームワークを学ぶ人
Dockerの学習ステップ
Docker初心者におすすめの学習順序です。
- Docker Desktopをインストール
- 基本コマンドを覚える(run, ps, stop, rm)
- Docker Hubから既存イメージを使ってみる
- Dockerfileを書いてみる
- docker-composeで複数コンテナを管理
最初は「既存のイメージを使って動かす」だけでOK。徐々に自分でイメージを作れるようになりましょう。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Dockerとは | アプリと環境を「コンテナ」に入れて動かす技術 |
| 解決する問題 | 「私の環境では動く」問題、環境構築の手間 |
| メリット | 環境構築が一瞬、チームで同じ環境、使い捨てOK |
| 学ぶタイミング | 基礎が固まったら早めに |
Dockerは、モダンな開発現場では「当たり前」の技術です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、一度使い方を覚えると「なんで今まで使わなかったんだろう」と思うはず。環境構築のストレスから解放されて、コードを書くことに集中できるようになりますよ。
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