「Gitって何？」「バージョン管理ってどういうこと？」
プログラミングを学び始めると、必ず出てくるのがGit（ギット）という言葉。エンジニアの求人でも「Git使用経験」が当たり前のように書かれています。
でも、「なんとなく難しそう…」と後回しにしている方も多いのではないでしょうか？
この記事では、Gitとは何か、なぜ必要なのかを「セーブデータ」に例えて、初心者の方にもわかりやすく解説します。
Gitとは？
Git（ギット）は、ファイルの変更履歴を記録・管理するためのシステムです。
「バージョン管理システム」とも呼ばれ、「いつ、誰が、何を変更したか」を記録してくれます。
ゲームの「セーブデータ」で考えよう
RPGゲームを思い浮かべてください。
ボス戦の前にセーブしておけば、負けてもセーブした時点からやり直せますよね？さらに、セーブデータを複数作っておけば、「あの時の選択を変えたい」と思った時に過去の状態に戻れます。
Gitは、プログラミングにおける「セーブシステム」のようなもの。コードを書いたら「セーブ（コミット）」して、いつでも過去の状態に戻れるようにします。
Gitがないとどうなる？
Gitを使わない場合、こんな悲劇が起こります。
- 「さっきまで動いてたのに、どこを変えたか分からない…」
- 「間違えて大事なコードを消してしまった…」
- 「report_最終版.txt」「report_最終版_修正.txt」「report_本当の最終版.txt」のようなファイルが増殖
- チーム開発で「誰がどこを変えたの？」と混乱
Gitを使えば、これらの問題をすべて解決できます。
Gitでできること
Gitの主な機能を見ていきましょう。
1. 変更履歴の記録
ファイルを変更するたびに「コミット」という操作をすると、その時点の状態が記録されます。
「いつ、何を変更したか」がすべて残るので、後から振り返ることができます。
2. 過去の状態に戻る
「やっぱり昨日の状態に戻したい」という時、コミットした時点に簡単に戻れます。
間違えてコードを壊してしまっても、安心です。
3. 複数人での同時作業
チームで開発する時、Gitがあれば複数人が同時に同じプロジェクトで作業できます。
それぞれが変更した内容を、後から合体（マージ）させることが可能です。
4. 作業の分岐（ブランチ）
「新機能を試しに作ってみたいけど、本番のコードは壊したくない」という時、「ブランチ」という機能で作業を分岐できます。
うまくいったら本番に合流、失敗したら捨てる、ということが簡単にできます。
| 機能 | できること | ゲームで例えると |
|---|---|---|
| コミット | 変更を記録する | セーブする |
| チェックアウト | 過去の状態に戻る | セーブデータをロードする |
| ブランチ | 作業を分岐させる | 別のセーブスロットで試す |
| マージ | 分岐した作業を合流 | 良い結果を本編に反映 |
GitとGitHubの違い
「Git」と「GitHub」、名前が似ていて混同しやすいですよね。
この2つは別物です。
| 名称 | 何か | 例え |
|---|---|---|
| Git | バージョン管理の「仕組み」 | セーブシステム |
| GitHub | Gitのデータを保存する「場所」 | クラウド上のセーブデータ置き場 |
Gitは、あなたのパソコンの中で動く「バージョン管理の仕組み」。
GitHub（ギットハブ）は、Gitで管理しているデータをインターネット上に保存・共有できるサービスです。
GitHubを使うと、こんなメリットがあります。
- パソコンが壊れてもコードが消えない（バックアップ）
- チームでコードを共有できる
- 世界中の人にコードを公開できる
ちなみに、GitHub以外にも「GitLab」「Bitbucket」など、同様のサービスがあります。
Gitの基本用語
Gitを使う上で、最低限知っておきたい用語を紹介します。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| リポジトリ（repository） | プロジェクトのファイルと変更履歴を保存する場所 |
| コミット（commit） | 変更を記録すること。「セーブ」のイメージ |
| プッシュ（push） | ローカルの変更をGitHubなどに送ること |
| プル（pull） | GitHubなどから最新の変更を取得すること |
| ブランチ（branch） | 作業を分岐させる機能。「枝」の意味 |
| マージ（merge） | 分岐した作業を合流させること |
| クローン（clone） | リポジトリをコピーして手元に持ってくること |
Gitを学ぶべき理由
「個人で勉強してるだけだし、Gitいらなくない？」と思うかもしれません。
でも、Gitは早めに学んでおくべきです。理由は3つあります。
1. 実務では100%使う
プロの開発現場で、Gitを使わないところはほぼ存在しません。
就職してから慌てて覚えるより、今のうちに慣れておく方がスムーズです。
2. ポートフォリオ作成に必須
転職活動では、自分の作品（ポートフォリオ）をGitHubで公開するのが一般的。
「GitHubのアカウントがない」は、エンジニア志望としてはマイナスです。
3. 個人開発でも便利
一人で開発していても、「昨日のコードに戻したい」「いろいろ試したい」という場面は必ずあります。
Gitがあれば、安心して試行錯誤できます。
Gitの学習ステップ
Git初心者におすすめの学習ステップを紹介します。
- Gitをインストールする
- GitHubアカウントを作成する
- 基本コマンドを覚える（init, add, commit, push, pull）
- 簡単なプロジェクトで実際に使ってみる
- ブランチの使い方を学ぶ
最初はコマンドが難しく感じますが、毎日使っていれば1〜2週間で慣れます。
「Sourcetree」「GitHub Desktop」などのGUIツールを使えば、コマンドを打たなくても操作できるので、そこから始めるのもアリです。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Gitとは | ファイルの変更履歴を管理するシステム |
| できること | 履歴記録、過去に戻る、チーム開発、作業分岐 |
| GitHubとの違い | Git＝仕組み、GitHub＝保存場所（サービス） |
| 学ぶべき理由 | 実務で必須、ポートフォリオ作成、個人開発にも便利 |
Gitは、エンジニアにとって「空気のように当たり前」のツールです。
最初はとっつきにくいですが、一度覚えてしまえば「なんでもっと早く使わなかったんだろう」と思うはず。プログラミング学習と並行して、ぜひGitも使い始めてみてください！
SKサービスでは、Git/GitHubを使った開発現場も多数あります。「使ったことないけど大丈夫かな…」という方も心配いりません。現場で先輩に教わりながら、実践的に身につけていけます。まずはお気軽にご相談ください！
