「GraphQLって何?」「RESTと何が違うの?」
API設計について調べると出てくるGraphQL(グラフキューエル)。Facebook(現Meta)が開発した、APIのためのクエリ言語です。
この記事では、GraphQLとは何か、従来のREST APIとどう違うのか、どんなメリット・デメリットがあるのかを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
GraphQLとは?
GraphQLは、APIのためのクエリ言語(問い合わせ言語)であり、その実行環境でもあります。
2012年にFacebookで開発され、2015年にオープンソース化されました。現在はGraphQL Foundationによって管理されています。
GraphQLの特徴
GraphQLの最大の特徴は、クライアント側が必要なデータを指定して取得できる点です。
- 必要なフィールドだけを指定して取得
- 1回のリクエストで複数のリソースを取得
- 型システムによるスキーマ定義
REST APIとGraphQLの違い
GraphQLを理解するために、まずREST APIとの違いを見てみましょう。
REST APIの場合
REST APIでは、エンドポイント(URL)ごとに決まったデータが返されます。
# ユーザー情報を取得
GET /users/1
# 返されるデータ(すべてのフィールドが含まれる)
{
"id": 1,
"name": "田中太郎",
"email": "tanaka@example.com",
"age": 30,
"address": "東京都渋谷区...",
"phone": "090-1234-5678",
"created_at": "2024-01-01"
}
ユーザーの名前だけが欲しくても、すべてのフィールドが返されることがあります。
GraphQLの場合
GraphQLでは、クライアントが必要なフィールドを指定できます。
# クエリ:名前とメールだけを取得
query {
user(id: 1) {
name
email
}
}
# レスポンス:指定したフィールドだけが返される
{
"data": {
"user": {
"name": "田中太郎",
"email": "tanaka@example.com"
}
}
}
必要なデータだけを取得できるため、通信量を削減できます。
比較表
| 項目 | REST API | GraphQL |
|---|---|---|
| エンドポイント | リソースごとに複数 | 通常1つ(/graphql) |
| データ取得 | サーバーが決めた形式 | クライアントが指定 |
| 複数リソース | 複数回のリクエスト | 1回のリクエストで可能 |
| オーバーフェッチ | 起こりやすい | 起こりにくい |
| 型定義 | 任意(OpenAPI等) | 必須(スキーマ) |
| 学習コスト | 低い | やや高い |
GraphQLの基本概念
GraphQLを理解するための基本概念を説明します。
スキーマ(Schema)
スキーマは、APIで扱うデータの型と構造を定義したものです。GraphQLでは、スキーマの定義が必須です。
type User {
id: ID!
name: String!
email: String!
posts: [Post!]!
}
type Post {
id: ID!
title: String!
content: String!
author: User!
}
「!」は必須フィールドを意味します。
クエリ(Query)
クエリは、データを取得するための操作です。REST APIのGETに相当します。
query {
user(id: 1) {
name
posts {
title
}
}
}
ミューテーション(Mutation)
ミューテーションは、データを変更するための操作です。REST APIのPOST、PUT、DELETEに相当します。
mutation {
createUser(name: "山田花子", email: "yamada@example.com") {
id
name
}
}
サブスクリプション(Subscription)
サブスクリプションは、リアルタイムでデータの更新を受け取るための操作です。WebSocketを使って実現されます。
subscription {
newMessage {
content
sender
}
}
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カジュアル面談を予約するGraphQLのメリット
1. オーバーフェッチの解消
オーバーフェッチとは、必要以上のデータを取得してしまうことです。GraphQLでは、必要なフィールドだけを指定できるため、データ転送量を最適化できます。
2. アンダーフェッチの解消
アンダーフェッチとは、1回のリクエストでは必要なデータが揃わず、追加のリクエストが必要になることです。GraphQLでは、1回のリクエストで関連するデータをまとめて取得できます。
# ユーザーと、その投稿一覧を1回で取得
query {
user(id: 1) {
name
posts {
title
comments {
content
}
}
}
}
3. 強力な型システム
スキーマによる型定義のおかげで、以下のメリットがあります。
- 開発時に型エラーを検出できる
- 自動ドキュメント生成が可能
- IDEの補完機能が使える
4. フロントエンド開発の効率化
フロントエンド開発者が、バックエンドの変更を待たずに必要なデータ構造を定義できます。開発のイテレーションが速くなります。
GraphQLのデメリット
1. 学習コスト
REST APIに比べて、新しい概念やクエリ言語の習得が必要です。チーム全体のスキルアップが求められます。
2. キャッシュの複雑さ
REST APIでは、URLベースのHTTPキャッシュが使えます。GraphQLは単一エンドポイントのため、キャッシュ戦略が複雑になります(Apollo Clientなどのライブラリで対応可能)。
3. 複雑なクエリへの対策
クライアントが自由にクエリを書けるため、深くネストしたクエリによるサーバー負荷が懸念されます。クエリの深さ制限やコスト分析の実装が必要です。
4. ファイルアップロード
GraphQLの仕様にはファイルアップロードが含まれていないため、別途対応が必要です(multipart/form-dataの拡張など)。
GraphQLを採用している企業
GraphQLは、多くの有名企業で採用されています。
- Meta(Facebook、Instagram):開発元
- GitHub:APIをGraphQLで提供
- Shopify:ECプラットフォーム
- Twitter:一部のAPI
- Netflix:内部システム
REST APIとGraphQL、どちらを選ぶべきか?
REST APIが向いているケース
- シンプルなCRUD操作が中心
- HTTPキャッシュを活用したい
- チームにGraphQLの経験者がいない
- ファイルアップロードが多い
GraphQLが向いているケース
- 複数のデータソースを統合したい
- モバイルアプリなど、通信量を最適化したい
- フロントエンドの要件が頻繁に変わる
- 複雑に関連したデータを扱う
まとめ
この記事で解説した内容をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| GraphQLとは | APIのためのクエリ言語・実行環境 |
| 開発元 | Facebook(2015年オープンソース化) |
| RESTとの違い | クライアントが必要なデータを指定できる |
| 主なメリット | オーバーフェッチ解消、1リクエストで複数取得、型システム |
| 主なデメリット | 学習コスト、キャッシュの複雑さ |
GraphQLは強力なAPIの選択肢ですが、すべてのケースに最適というわけではありません。プロジェクトの要件に合わせて、REST APIと適切に使い分けることが大切です。
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