「Linuxを勉強したいけど、新しいPCを買うのは…」「WindowsのままLinuxを触れないの？」
Linuxを学習したいけど、環境構築のハードルが高いと感じている方に朗報です。WSL（Windows Subsystem for Linux）を使えば、Windowsの中でLinuxを動かすことができます。
この記事では、WSLとは何か、インストール方法から基本的な使い方まで解説します。
WSLとは？
WindowsでLinuxが動く仕組み
WSL（Windows Subsystem for Linux）は、Windows上でLinuxを実行するための機能です。Microsoftが公式に提供しています。
従来、WindowsでLinuxを使うには仮想マシンを立てる必要がありましたが、WSLならより軽量に、より手軽にLinuxを使えます。
WSLでできること
- Linuxコマンドの実行
- シェルスクリプトの作成・実行
- Linux向け開発ツールの使用
- サーバー構築の練習
- プログラミング環境の構築
WSL1とWSL2の違い
| 項目 | WSL1 | WSL2 |
|---|---|---|
| 仕組み | Linuxシステムコールを変換 | 軽量VMでLinuxカーネルを実行 |
| 互換性 | 一部制限あり | フルLinuxカーネル |
| パフォーマンス | ファイルアクセスは速い | Linux処理は速い |
| Docker対応 | × | ◎ |
現在はWSL2が推奨されています。
WSLのインストール方法
WSLのインストールはとても簡単です。
前提条件
- Windows 10 バージョン2004以降、またはWindows 11
- 64ビット版
インストール手順
Step1：PowerShellを管理者権限で開く
スタートメニューで「PowerShell」を検索し、「管理者として実行」を選択します。
Step2：WSLをインストール
以下のコマンドを実行します。
wsl --installこれだけで、WSLとUbuntu（Linuxディストリビューション）がインストールされます。
Step3：PCを再起動
インストール完了後、PCを再起動します。
Step4：Ubuntuの初期設定
再起動後、自動的にUbuntuが起動します。ユーザー名とパスワードを設定してください。
これで完了です！
別のディストリビューションを使いたい場合
Ubuntu以外も選べます。
# 利用可能なディストリビューション一覧
wsl --list --online
# 特定のディストリビューションをインストール
wsl --install -d DebianWSLの基本的な使い方
WSLの起動
以下のいずれかの方法でWSLを起動できます。
- スタートメニューから「Ubuntu」を検索して起動
- コマンドプロンプトやPowerShellで
wslと入力 - Windows Terminalから起動（おすすめ）
WindowsとLinux間のファイルアクセス
WSLとWindows間でファイルを共有できます。
# Linux側からWindowsのファイルにアクセス
cd /mnt/c/Users/YourName/Documents
# Windows側からLinuxのファイルにアクセス
エクスプローラーで \\wsl$ を開くWSLの管理コマンド
# インストール済みのディストリビューション一覧
wsl --list --verbose
# WSLのシャットダウン
wsl --shutdown
# デフォルトのディストリビューションを変更
wsl --set-default UbuntuWSLでLinux学習を始めよう
WSLが使えるようになったら、Linuxの学習を始めましょう。
まず試してみること
# 現在のディレクトリを確認
pwd
# ファイル一覧を表示
ls -la
# ディレクトリを移動
cd /home
# ファイルを作成
touch test.txt
# ファイルの中身を表示
cat test.txtパッケージのインストール
# パッケージ情報を更新
sudo apt update
# パッケージをインストール（例：vim）
sudo apt install vim
# パッケージを検索
apt search nginxWSL活用のヒント
Windows Terminalを使う
Microsoft Storeから「Windows Terminal」をインストールすると、WSLがより使いやすくなります。タブ機能や見た目のカスタマイズができます。
VS Codeとの連携
Visual Studio Codeの「Remote – WSL」拡張機能を使うと、WSL内のファイルを直接編集できます。開発環境として非常に便利です。
Dockerとの連携
Docker Desktopをインストールして「WSL 2 backend」を有効にすると、WSL上でDockerが使えます。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| WSLとは | Windows上でLinuxを実行する機能 |
| メリット | 手軽にLinux環境が手に入る、軽量 |
| インストール | wsl –install だけでOK |
| おすすめツール | Windows Terminal、VS Code |
| 活用法 | Linux学習、開発環境、Docker |
WSLは、Linuxを学び始めるのに最適な環境です。特別な機材を用意する必要がなく、普段使っているWindowsパソコンですぐに始められます。
インフラエンジニアを目指すなら、まずWSLでLinuxに触れてみましょう！
